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zoom RSS 絵画の見方(3)「美術館での鑑賞のしかた」

<<   作成日時 : 2011/07/15 23:12   >>

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今回も絵画の見方(1)「主観的鑑賞」絵画の見方(2)「自分のこととして見る」の続きです。

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  ※マルク・シャガール初期の作品

美術館での鑑賞の仕方の内的ポイントはこのページの後の方で述べます。

また美術館で絵がよく見えるようになるためには絵画の見方(5)「誰でも絵が好きになる鑑賞法」を参考にしてください。きっと役立つでしょう。

●どうしてこの絵が名画なの?

美術館で鑑賞してみても「なんでこの絵がいいの?」と思う作品があるでしょう。

美術館には、基本的には芸術性が高いと認定された作品が展示されています。したがって冷たく言ってしまえば、美術館で「なんで・・・」と思う絵が多い人は基本的に絵画鑑賞の力が足らない、つまり目がないという結論になります。

もしも自分がそうだとしても落胆しないでください。一点でも「本当にいいな」と心から感動できる絵がある人はそれだけで幸せなのですから。そんな一枚の絵との出会いを求めて美術館を訪ねてみるのは、とても有意義な行為だと思いませんか?

ただし「本当にいいな」と思える絵がたくさんあった方が美術館に行く楽しみも大きくなります。

それのためには目を養う必要があります。見る目があるということは作品に共通する芸術性を理屈ではなく体で感じてよろこべるということです。

芸術性が高いものに接したとき、こちらの見る目が足らない場合、すぐにはその良さを感じられないものです。逆に言えば、芸術性のあるものは見ているうちにだんだん良く見えてくるものです。

目が育たないうちは、むしろインテリアアートのように芸術的には安っぽい絵画を良いと感じてしまいがちです。

現代アートの中には、芸術性云々ではなく、人々がその新しさの感覚に付いてゆけないものが多いように思います。ただ新しいだけでゴミみたいなものもありますが。

●芸術性とは

美術品に対して「目を高める」ためには、即ち芸術性を感じるためには、理屈ではなくまず「目が慣れる」ことが必要です。目が慣れるためには「何度も何度もよく見る」ことが肝要です。すると内的な「目が開けて」ゆきます。

目が開けてくるということは、作品と自分との間に霊性の交流が為されてきていることと思ってください。

「芸術性」イコール「霊性」ではありませんが、この二つはとても似合った言葉で、人間が人間として存在するにあたって不可欠な、どこまでも内的な性質です。
中島誠之助の贋物鑑定に学ぶ

私は、「芸術性の高い作品は鑑賞者の霊性を高めてくれる」という仮説を持っています。

もしも芸術性の高い作品一点を前に自身の内的な目が開ければ、これまで「どうしてこれが名画なの?」と思っていた絵であったとしても、知らないうちにそのよさを感じられるようになったりします。

芸術性については、いつか突っ込んで検証してみたいと思います。

●主観による解説がよい

美術館の企画展示は、「印象派」などの人気ジャンルをくくったものや、「レンブラント」「雪舟」などの歴史的な巨匠とそれに関係のある作品を集めた企画に観客が集まります。

※雪舟「恵可断臂図」
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こうした美術館企画は、学芸員といわれる専門家が、一般の人がエンターティメントとして楽しめるように考え、同時に学術的な研究の観点から展示を企画したりします。

たとえば、2010年に東京藝術大学大学美術館で展示されたシャガール展であれば、ロシア生まれのシャガールの同時代に起こった「ロシア・アバンギャルド」という切り口にあわせて展示を構成、また解説し、鑑賞者がシャガールの人生路程や時代背景を理解することで作品をより深く鑑賞できるようにしてくれます。

しかし、学術と言う特性上しょうがないのですが、多くの場合、客観性が強くて、専門家や美術に詳しい人にとってはワクワクするような解説であったとしても、そうでない人にとっては、それほど絵を見る感動を高めない場合が多いようです。

美術評論や解説について言えば、学芸員などの美術の専門家よりも、美術に造詣の深い詩人や文学者のものが鑑賞のイメージを膨らませてくれることが多いです。

それは、詩人の素直な目で主観的に感じた世界を文章表現しているからです。

日本では、かつてNHK日曜美術館で時々解説していた故松永伍一(詩人)が、自分でも絵を描き美術評論を書いていました。

教養もあって感性の鋭い誰か(例えば詩人)が主観的に感じたことは、他の人が主観的に絵を見るために役立つ新たな視点をその人に提供し、感性を刺激し、その人が我知らず感知しているものを自覚させ、さらにもっと大きく膨らましてくれるのです。

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         ※マルク・シャガール晩年の作品


●勝手に見るのがいい

ただし最初から解説のもとに絵を見るとそれが今度は自分の主観的鑑賞を邪魔する場合があります。

美術館での鑑賞の最初は「勝手に見る」ということが重要です。

教養を身に付けたくて展覧会に来たのでなければ、「気になる絵」、「何かを感じる絵」だけをまずはじっくり見ましょう。そしてその絵と心で対話をしてみてください。(対話は霊性の共鳴です)

先述したシャガールの絵には、故郷ロシアのヴィデブスクで幼い頃に遊んだ鶏やロバ、そしてバイオリン弾きやユダヤの聖典を持ったおじいさんなどが晩年の作品にまでよく登場します。これらはユダヤ人であるシャガールが幼少を過ごした「故郷」そのものです。

つまりシャガールの故郷を慕わしく思う心が描こうとするモチーフにあらわれるのです。

ここで、例えば、鑑賞者自身の幼い頃の思い出の中に「鶏」があって、シャガールの絵を見ることによってかつての自分の体験を基にして絵の中から「懐かしい」という情感を得るならば、それは絵を客観的に見ているのではなく「自分のこととして見る」ことになるのでより強い刺激を受けるはずです。

評論家であろうが、詩人であろうが、あらゆる解説は、あくまで鑑賞者が勝手に主観的に見て絵を楽しむための助けに過ぎません。

他人が何と言おうと、どんな素晴らしい真理であろうと、自分が「そうだ」と実感したことだけが自分にとっての真実なのですから。

美術館の中で自由に勝手に見て、もし疑問や知的な興味がわいたときに、今度は解説に向かってみてください。するとその解説がもっと違った感動をもたらしてくれるでしょう。

それもあくまでまっさらな心で絵と対話してみたあとの出来事です。

「自分のこと」という種がないのに、「解説」という水や肥料を与えても、「より深い感動」という花も実も生らないのですから。

絵画の見方(4)「心に映るものを見る」へつづく
絵画の見方(5)「誰でも絵が好きになる鑑賞法」

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