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zoom RSS 韓国画家・朴敦(パク・ドン)アトリエ訪問「静謐なマチエール」

<<   作成日時 : 2011/08/12 00:54   >>

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私の知り合いの韓国作家の中で最も頑固一徹な画家と言えば朴敦(パク・ドン)でしょう。

朴敦は私が付き合い始めた17年位前は朴昌敦(パク・チャンドン)と本名で活動。

韓国では言わずと知れた元老作家です。

1928年に北朝鮮の黄海道に生まれ(今年満83歳)、海州芸術学校美術科を卒業。1950年6月25日に勃発した朝鮮動乱が始まる前に自由を求めて南(韓国)に逃げてきました。後から両親や兄弟が南に降りて来るのですが、動乱の最中で母親はそこで命を落とします。

朴敦は動乱後の焼け野原で暮らしながら再び油絵を描き始めました。
韓流ファインアート

●生き方へのこだわり
「頑固な上に正直で、他人に媚びることもできず、正しいと思ったことは誰に対しても歯に衣を着せずものを言う」となれば「世渡りの下手な人間」というイメージが湧きますが・・・そのものです。

※この頑固な顔を見てください
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どんなところが頑固かと言うと、例えば以前大学で講師を務めていましたが、大学側から好待遇で教授への道を示されても、というよりは強く教授になることを乞われても、「絵を描く時間が無くなるから」と言い張って講師までも辞めてしまうほどです。

韓国でまだあまり絵が売れない頃のことですから、どれほど大変なことだったでしょうか。

また韓国で最も力のある画廊の女社長に高飛車な態度に出られ、「画家をなんだと思っているのか、もう二度とお前のところには絵を出さない!」と啖呵を切る・・・とこんな具合です。

しかし世の中を見通す目は鋭く、サッカー狂で画室に置いてある大型TVでよく観戦しますが、10年も前から「韓国のサッカーはそのうちに日本に勝てなくなる」と予言していました。理由は、日本のチームプレーに対して韓国の選手は個の力でやろうとしているからとのことです。自分を主張してチームの和を損なうプレースタイルを嫌います。

人間も表裏のある人を嫌い、その分本人も打算がありません。ただ変人と言えばその部類に入るかも知れません。

●作品へのこだわり
作品制作においてもこだわりがあり、下の写真はアトリエにあった120号のキャンバスですが、約1ヶ月間そのまま置いてあります。理由は「長雨が続き、少しでも湿ったキャンバスに描き始めるとあとから影響するので」とのこと。

※長い間120号キャンバスを置いてあるアトリエ
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実はこのキャンバス、ソウル市から注文を受けた120号2点のうちの一点目を描こうとして準備したもの。

120号の油彩画2点の為に水彩画のエスキース(下絵)を4点描きソウル市に提出したそうで、写真はその一枚です。

※水彩エスキース
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※水彩エスキース部分
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●静謐なマチエール
朴敦の作品は、そのマチエール(画肌)を画面全体に作り上げれば8割がた完成となります。もしもこのマチエールを作るのに失敗すればそのキャンバスは完成まで至りません。

朴敦がこれほどコダワリを見せるマチエールですが、日本での展示会来場ゲストで「自分でも油絵を描いている」という人は、「どうやって描いているのだろう」と言って見入ります。それほど朴敦の画肌は人々を魅了するのです。

※朴敦作品と部分
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ここで少し企業秘密をバラしてしまうと、まずジンクホワイトの絵の具の塊を作って何年も熟成させ、それを使って描くことで、砂を混ぜたような質感で艶を消したテカらない落ち着いた画肌を築くことができます。しかも薄い絵の具を何度も塗り重ね、さらに削ったりしながらの作業を繰り返すことで深みが生まれます。

しかし朴敦は「技術を知ったとしても私と同じようなマチエールは絶対に作れない」とキッパリ。

朴敦は驚くべき集中力で作業しますが、それは無心な祈りのようなもので、それが一種のエネルギーとなって画面に宿されます。朴敦の集中力の背後には先ほど紹介したごとくの「生き様」があります。ゆえに朴敦のマチエールは誰にもまねの出来ない味わいとなります。

技術だけでは作れないものが芸術作品なのです。

彼の絵を見る者は、雑念を払いのけた清らかで静謐な画肌により、自らの内面の雑念が浄化され、そのことで「気持がいい」と感じるのです。

「馬の目が優しい」とかいう情感は、画肌や色合いという抽象的な要素に魅了された後で浮かんできます。

※朴敦初期の頃の作品
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※朴敦のアトリエ風景
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また朴敦は陶磁器や土器をこよなく愛しています。自分でも蒐集していますが、好みはというと、陶磁器は朝鮮白磁で民窯の素朴な絵付けや自然なゆがみの見られるものです。土器は新羅のものより百済のやさしくやわらかい曲線がお好きのようです。

特に土器コレクションは画家の絵の中によく登場します。

土器も馬も少年も少女も、素朴で純粋、清らかでやさしい・・・頑固な性格の影に隠れた作家の内面がモチーフに重なります。
韓流ファインアート


※朴敦の陶磁器とい土器のコレクション
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※お気に入りの百済土器
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