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zoom RSS 朝鮮民画(4)「虎図」

<<   作成日時 : 2011/11/05 11:16   >>

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今回の朝鮮民画(4)は「虎図」です。日本には昔から虎がいませんでしたが、朝鮮半島にはかつて虎が棲んでいました。北朝鮮と韓国を分断する38度線の軍事境界線は半世紀以上も人が踏み入ることが出来ず、今でも虎が生息しているのではないかと言われています。
朝鮮民画(1)「民画とは」
朝鮮民画(2)「文字図T(孝悌)」
朝鮮民画(3)「文字図U(忠信禮義廉恥)」
朝鮮民画(5)「文房図(チェッコリ図)」
朝鮮民画(6)「花鳥図ー牡丹図」
朝鮮民画(7)「花鳥図ー宮廷画家も描いた上手編」
朝鮮民画(8)「花鳥図ー下手編(わくわくするパボ民画)」
朝鮮民画(9)「山水図―金剛山図」民画の本質
朝鮮民画(10)「花鳥図ー蓮華図」


●辟邪の代表的民画
虎の絵は、そのルーツとして高句麗の古墳壁画に描かれた四神の一つ白虎が考えられます。
キトラ古墳「四神図」古代絵師の力量

古代の高句麗壁画の「白虎」、そして朝鮮時代の「竜虎門拝図」など、民画以外の絵でも虎は辟邪を目的に描かれていますが、民画の虎の絵を飾る目的もまた魔を退散させてわざわいを避けるためのものでした。

特に作画年代の古い虎の絵は猛虎図としてその恐ろしさが強調され、年代を経るにつれ民画が庶民に浸透してくると、虎を擬人化したり風刺的に描いたりして民画の特徴とも言えるユーモアに満ちた表現が増えてきました。

韓国の壇君神話には虎と熊が登場します。また山岳信仰の強い韓国では虎は山神の使いと考えられ、民画でも虎に乗った人物が山神として描かれています。
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韓国の美術評論家の趙子庸氏は「虎の絵は、檀君始祖4000年前から我々の血脈に流れる山神崇拝、民族信仰より生まれたものである」(「李朝民画概論」講談社)として「李朝民画の民族的代表作」とまで語っています。

こうした言葉自体が韓民族の虎への愛着のあらわれにほかなりません。

かつて虎は朝鮮半島に実際に生息し、この虎が、たとえ人間に危害を加えることもある恐ろしい存在であったとしても、その強さは憧れの対象でありました。

虎を神聖視する信仰心だけではなく、虎を身近に感じたいという愛着心が反映して、その造形が、素朴で愛らしさを湛えたものになっていったのではないかと考えます。

絵画の価値(7)朴芳永「精神治療か魔除けか」


●鵲虎図
朝鮮民画の虎図の中でも最もポピュラーなのが鵲虎図です。鵲虎図とは松の木にとまった鵲(かささぎ)と表情豊かな虎を描いた絵です。

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ここでの虎の顔は口をあいて何か鵲と話をしていうように見えます。こうした構図がいつのころから描かれ定着したかは謎です。

一説には、山神や村の守護神の使いが虎で、その神託の使者として鵲が描かれたとか、四神図の朱雀が鵲に変容したとも言われていますが定かではありません。

またこの鵲虎図は「俺は百獣の王だ」と威張る虎に対して鵲が「でもお前は飛べないだろう」とからかっている姿だという話を聞きます。

こうした説話は後にこの鵲虎図に付与した解釈かもしれませんが、庶民の諧謔性が権力者に対する揶揄の心とあいまって受け継がれたもののようです。

さらに虎の親子を描いた民画も多く、親子の愛情の絆が深い韓国の民族性を感じます。
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いずれにしても、鵲は朗報を運ぶという吉祥の鳥であり、鵲も松も親子も「招福辟邪」という民画に秘められた作画の動機から登場したのは間違いありません。朝鮮民画(1)「民画とは」

次回は(5)「文房図(チェッコリ図)」です。

●民画から造形的影響を受ける現代作家たち
民画絵師たちの自由でダイナミックな造形表現は現代の芸術家たちにも影響を与えています。

ピカソやモジリアーニなどの近現代作家がアフリカの原始美術から影響を受けたことは有名です。

朝鮮民画にもキュビズムに似た造形などきわめて現代的な感覚の作品を見ることができます。

韓国においても現代作家が創作のインスピレーションやヒントを得るに当たって民画の存在は大きいようです。
韓流ファインアート

絵画の価値(7)朴芳永「精神治療か魔除けか」

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      ■李重煕「赤虎図」↑


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