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zoom RSS 韓国現代アート金鳳台KIM BONG-TAE(1)「ウィンドウシリーズ」

<<   作成日時 : 2011/11/23 11:42   >>

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このブログは足を使って取材した記事がけっこう多いのです。やはり事件は現場で起きているわけで、実際に行って見た記事には臨場感があります。さらに画家の生の言葉と筆者が主観的に感じた世界を加えることで、読者が絵を楽しむ上での視点が広がり目が深まるのです・・・と、ブログを宣伝するのでした。

今回の金鳳台(キム・ボンテ)は日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが韓国現代アートの重鎮作家です。ひさびさアトリエを訪ねました。

    ■金鳳台近影
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    ■アトリエ内部
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1937年韓国ソウル大学絵画科を卒業。1966年アメリカのオーティス美術大学大学院卒業(絵画・彫刻専攻)。ロサンゼルスで活動し、帰国してからは、ソウルの北側、平倉洞(ピョンチャンドン)の山の中腹にある景色のよいところに居とアトリエを構えています。

ウィンドウシリーズはアメリカから韓国に戻ってすぐの頃の作品で、2005年に銀座の画廊で韓国現代作家3人展を開催した際に美術評論家の峯村敏明が、そして同じく個展の際に中原祐介が評論を書いています。

中原祐介は今年3月に亡くなりましたが、二人とも日本を代表する現代美術の評論家です。今回は彼らの美学的知識からくる評論ではなく、小生の感覚的視点でお伝えします。

    ■ウィンドウシリーズの作品
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    ■ウィンドウシリーズの版画
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このウィンドウシリーズの作品を見ると、直線による幾何学的造形で、まるで図形のように平面に描かれているにも関わらず、どことなく奥行きを感じます。

黄色と黒の作品は次のボックスシリーズの制作が始まった頃のもので、よく見ると箱の形のようで、それを平面に描写し、さらに前後の遠近感が逆になっていることで、見る者の固定的な視点が解放されます。逆遠近法「朝鮮時代の肖像画」

赤の色面と黒の線による版画の方は枠と色面のズレにより画面に不思議な奥行きをかもし出し、そのズレが作り出す隙間とはみ出した赤を見ると、既存の秩序が崩されて新たに構築されたような、言ってみれば型にはまらない余裕につながる感覚です。

そのズレ、隙間を見て、はじめは何かしらの意図があるのではないかと探りたくなるのですが、見続けるうちに自ずと硬直した感覚が少し解き放たれてきます。つまり緩まるのです。

逆のルートから言えば、余裕や緩みのあるところからズレや隙間が作り出されると言った方がよいかもしれません。そしてそれはもともとこの民族の血に潜む造型的感覚でした。

例えば、朝鮮時代の韓屋(ハノク)という伝統的な建物は建てつけに少し隙間があったり、また白磁や粉青砂磁の陶磁器には自然なゆがみが見られたりします。いいかげんという意味も含んだ「適当」という言葉が当てはまり、ゆったりとしてとても美しい形態です。

竜安寺の石庭の土塀の怪で紹介した三島由紀夫の「意識の限りをつくした執拗な直感」といった内容とは全く反対の無意識から生まれた造形です。

朝鮮の韓屋や陶磁器は日本の竜安寺の石庭のような完璧さや厳格さはなく、まるで最初から完全であることを目指さないで作られたようで、結果的に緩やかな未完成の美に至っているのです。

金鳳台の幾何学的な抽象画は、私が上述した韓国的な適当さや無意識性とは一見無縁に見えます。しかしこの韓屋の隙間や陶磁器のゆがみは金鳳台作品のズレや視点の解体と関連がないわけがないと思うのです。

    ■韓屋
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ところで韓屋の屋根はゆったりとした曲線が特徴で、陶磁器のゆがみもまた曲線です。

曲線の持つ味わいをシャープな直線の現代美術に置き換えたとしたら金鳳台の絵のようになるのかな、という思いにとらわれました。

金鳳台の作品にあっては、シャープな直線が持つ無機質さはやわらいで見えます。

時間に追われ様々な規則によってがんじがらめになっている現代人にとって、金鳳台の現代アート「ウインドウ」が提示する隙間は、閉ざしがちな現代人の心の窓にも隙間をもたらし、そこから爽やかな風が吹き込み暖かな光が差し込んでくるような気がします。

これは現代という時代の世相に照らして、あえて感じて見ようとする私の期待なのかも知れませんが、金鳳台という人がかもし出している人柄でもあります。

このウィンドウシリーズのあとに来るのが、韓国現代アート・金鳳台(2)「ボックスシリーズ」です。
韓流ファインアート


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