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zoom RSS 韓国の印象派・車一萬CHA IL-MAN「希望の光り」

<<   作成日時 : 2012/01/02 09:36   >>

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風景画家として画壇で確固たる評価を得た車一萬(チャ・イルマン1952〜)は、2011年のはじめに中国に活動の場を移し、後援者を得て10月からは北京のある芸術村に60坪のアトリエを構えた。
車一萬・亜州美術館個展「上善は水の如し」

現在の中国では、言い方は悪いが怪物を描いたような絵が流行しよく売れているようだ。

「清らで明るい光を感じる絵がこの国でいつか求められる」

車一萬はそんな思いを抱いて中国市場への挑戦を決意した。

はじめ半年は、国民性の違いから来る思考行動のギャップから中国で作家活動することの難しさを思い知らされる。成功への焦りもあった。しかし中国社会に深くまじわるうちに「自分の作品がこの国に必要である」という実感が増して、次第に使命感にも似た思いに変わってきた。

    ■韓国京畿道文山にあるアトリエで制作中の万里長城の大作
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    ■50号制作中の万里長城
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    ■イグアスの滝を説明する車一萬
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●平和団体からの大賞受賞

車一萬は見識の深い画家である。それは世界中を旅することで身に付いた。

1956年にアイゼンハワー大統領が設立した平和団体PTP(ピープル・トウ・ピープル)が1987年に第一回目の世界美術大賞を設けた。その栄えある大賞を当時35歳の車一萬が受けたのである。

その後画業のかたわらPTPの招きによる平和使節として5年間アメリカ・南米・ヨーロッパなど世界を回ることになる。

中米のカリブ海に浮かぶ島国セント・ルシアを訪れた際に名誉領事を頼まれ引き受ける。小さな国では国家予算がなく世界中に大使を置くことができないのでこうした方法をとるのだが、車一萬は10年以上民間人として領事を務めた。

名誉領事の経験から、海外に出るときは「自分は韓国という国を背負って行動している」という思考が身に付いた。中国での作家活動においてもその考えは生きており、よい緊張感につながっているようだ。

●生きる力を孕んだ光

韓国はいまや電子技術や韓流に見る映画・ドラマやKポップなどで世界中によく知られているが、かつては世界の片田舎ともいえる国だった。そんな場所に生まれ育ち、独学で画家になった車一萬がなぜ世界的平和団体の美術大賞を受賞したのだろうか。

車一萬が生まれたのは江原道の高城(コソン)という南北の軍事境界線(38度線)にほど近い海辺の町である。生年1952年は朝鮮戦争の真っ最中。物心ついたころは韓国全土が焼け野原で、世の中に希望が見出せなかった。しかし幼いながらも自然の輝ける光を見ると生きるよろこびが湧いてきた。

少年車一萬はいつしか画家になる夢を抱き、努力した末に認められてゆく。その出発点には彼に生きることの希望を与えた自然の光があった。

「希望の光を描く画家になろう」

車一萬の風景画には幼いころに決意した内的な光が息づいているのだ。

ならば、平和団体からの大賞受賞は彼の動機が導いた必然とも言える。

●函館の夜景のエピソード

私は車一萬のスケッチに何度か付き合ったことがある。かつてマイナス10度の北海道でイーゼルに立て、かじかむ手を温めながら彼は絵を描いていた。

NY・ロシア・台湾・パリ・ローマを一緒に旅行したこともあるが、そのとき車一萬は行く場所ごとに水彩でよくスケッチしていた。

世界三大夜景の一つである函館山からの夜景を見て感動し、その後何点かの油彩作品に残している。その「函館の夜景」をパリのアンデパンダン展に出品した際は、彼の作品の前には人だかりが生まれ、たくさんの人々が記念写真を撮って行ったと聞く。

    ■アトリエにある「函館の夜景」
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この絵が人を救ったことがある。

韓国のカトリック教会のある神父が病気を患い、ついには神父の職を辞し、絶望の中で自殺まで考えていた。その人が画廊で車一萬の「函館の夜景」に衝撃を受け、じっと見ているうちに生きる勇気と希望が湧いてきたというのである。

元神父は結局この絵を購入し、「自殺を思いとどまった」心境を綴った手紙を送ってきた。

「希望の光りを描こう」戦後の焼け野原で画家になる決意をした幼い少年の心に秘められた動機が、目には見えない波動となり一枚の絵の中で息づいていた証しである。

    ■廻光返照
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上の作品は、西に沈もうとする太陽の光が東側にある灯台を照らし、その上空には月が昇っている図である。そこには、20世紀という物質万能の時代が終焉を迎え、月に象徴された心情的な文化の時代が到来するというメッセージが込められている。

このように光は車一萬の内的なテーマである。それは生まれ育った故郷の自然の光に端を発しているのだが、彼の描く絵の中の素材がたとえ人工的な光であったとしても自然の闇と交錯し神秘的な様相を見せている。

2008年12月にフランスのノルマンディーを訪れ、モンサンミッシェルとの劇的な出会いをして、100点描くことを決意した。

    ■モンサンミッシェル
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以下は車一萬がモンサンミッシェルを100点描こうとした動機の証言である。

モンサンミッシェルに近づいたのは薄暗がりの夕刻だった。以前に自分はここを二度訪れていたのでさしたる期待は無かった。だがパリを出発したときには予想しなかったノルマンディーの強い風と雨が車の窓を激しく打ち付け、どういうわけか不思議な興奮を覚えていた。いよいよ近くまで来たときにライトアップされたモンサンミッシェルが車窓の遠くに威容を覗かせた。それはかつて見た建物ではなく嵐の中に浮かぶ陽炎のようだ。「近くで見たい!」というたまらない衝動に駆られ、車を回してもらい、友人が引き止めるのもかまわずドアを開けて嵐の中に駆け出した。車が見失った自分を見つけ出すまでの20分間。自動車の標識の陰に隠れて暴風雨の合間から眺めた。この風と雨にうごめく光りは数百年間の祈りに支えられてきた修道院の歴史そのもののようで近寄りがたい。自分は嵐に抗いながら神秘の光りを前にただ立ちすくんでいた。

車一萬・亜州美術館個展「上善は水の如し」
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