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zoom RSS 神品「清明上河図巻」/北京故宮博物院200選(1)

<<   作成日時 : 2012/01/15 17:02   >>

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200分待ち。これは東京国立博物館で開催されている「北京故宮博物院200選」の清明上河図巻(せいめいじょうかずかん)1点を観るためだけに待たなければならない時間です。

私が行った日は2012年1月11日の午後のことです。「中国が世界に誇る至宝、清明上河図ついに国外へ」という謳い文句はダテではありません。中国の歴史上もっとも人々に愛された絵画で、後世にたくさんの模倣本が描かれていますが、その原本であり門外不出の名画です。

中国語の館内放送もあり、職員に訊ねたところ「本国でも7年に一度しか公開されないので中国からもわざわ観に来ている人がいる」とのことでした。

    ■清明上河図巻(最も有名な橋の部分)
      張択端筆 北宋時代12世紀
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東洋の絵画が大好きな人たちが名画と知って一目観ようと集まったのか?あるいはもの珍しさか?あきれ返るほどの人出です。

かく言う私も一目観てやろうと意気込んで行ったものの、ものすご〜く長い行列に圧倒されてしまいました。一点だけのためにそこまでして観たかねぇ〜やと思いながらも、そのまま帰るのもなんですので、他の作品を全部見終わった後で、列には並ばず清明上河図を観ている列の後ろに引かれたテープのところから列の隙間が空いているところに首をにゅーっと突き出して、少しだけ実物を見ました。確かに。

しかし全長約5メートルに対して縦は24センチというとても小さなものですので少し離れてしまうとよく見えません。しかも画面のなかに773人とも1643人とも言われる人物が生き生きと描かれているのです。やはりケースのガラスに鼻先をくっつけるようにしながら、近くでじっくり観なければ本当に味わうことは出来ないようです。

作品に登場するものは宋代の中国都市部の風景とそこに住む庶民の生き生きとした生活の様です。それは一言で言えば人間としての幸福を描いています。

視覚を通して絵の中の人々と戯れるならば、きっと観ている人も幸せを味わえるかもしれません。

本年2012年1月24日まで展示していますので観たい方は決意して行ってください。
絵画の見方(3)「美術館での鑑賞のしかた」

さてこの清明上河図、日中国交正常化40周年・東京国立博物館140周年・特別展「北京故宮博物院200選」のメインの展示作品ですが、他にもすごい作品がたくさん来ているのに、この一点の存在が大きすぎるのでこんな現象になってしまうのでしょう。

作者の張択端は中国絵画史にこの一点以外はほとんど作品が残っていないことなど、謎の多い清明上河図巻ですが、もう少し詳しく知りたい方は以下のトーハクのHPをどうぞ。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1445

この宋代に描かれたオリジナルの清明上河図は後世において数多くの模倣本が作られましたが、その中でも最も有名なものが清代の乾隆元年(1736)に数人の画家により合作完成し、現在台北・故宮博物館に所蔵されている「院本清明上河図」です。 縦 35.6cm、横 1152.8cmと原本よりも大きく描かれています。下のURLを開いてから画像をクリックすれば拡大します。
http://www.muian.com/muian10/1003p_inpon.jpg

●神品とは

清明上河図巻は時の専門家たちから「神品」と評価された作品です。

「神品」とは、絵画作品の優劣の格付けの最高位を表します。神品の次である中位が「妙品」、そして下位が「能品」の三段階です。

「能品」が下位だからといってあなどるなかれ。ミシュランの格付けとは全く違いますが、星一つでもそれをもらうのはどれだけ大変なことでしょうか。

この格付けの基準は、六朝時代(222〜589年)後期(おそらく6世紀)の画家であり評論家の謝赫(しゃかく)が著した最古の画品書「古画品録」の中の「画の六法」から来ています。さらにこの規範を超えていて優劣を判断しかねる作品に関しては「逸品」という品等をつけています。後世には少し変化していきますが。

「画の六法」は、水墨淡彩を基本とした東洋画というジャンルのある東洋三国(中国・韓国・日本)の画論において、現代に至るまで指標を与えてきた基本中の基本で、気韻生動・骨法用筆・応物象形・随類賦彩・経営位置・伝摸移写の六法にわかれます。

それぞれを一言で説明すると以下のようになります。

気韻生動(生命の躍動感)
骨法用筆(描法・運筆)※以下は「文人画の鑑賞基礎知識(至文堂)」より
応物象形(写形・形成)
随類賦彩(色彩への配慮)
経営位置(構想・構図・構成)
伝摸移写(伝統より学ぶ)

その中でも気韻生動が最も重要とされ、気韻とは神韻・神気・生気・荘気などと言い換えられることもあり、それは宇宙の気に律動し見る人の魂を振るわせる力とでも言いましょうか。
李重煕「気韻生動と五方色」

時代とともに気韻生動の解釈や作画表現については、中国でも日本でも流派によって様々な説が述べられていますので、鑑賞者としては自分なりに実感するしかないでしょう。

ただ、これまでこのブログで何度も使ってきた言葉「霊性」に関わることは確かです。
中島誠之助の贋物鑑定に学ぶ

画家の技術や思想・人格などのもろもろがあいまって絵画の品格が形成されます。気韻生動は作品の中に息づく目に見えないエネルギーであり鑑賞者の情によろこびを湧き立たせる根本的な要素です。

中国の国宝中の国宝ともいえる「清明上河図」を解説つきで詳しく見たい場合は2500円で総合カタログを買ってきて見ることをお勧めします。

しかし、絵画に描かれた人々の息づかいや空気、そして気韻生動を実感するためには、何時間も並んで実物をじっくり見るのがいいのかもしれません。


次回は「乾隆帝肖像画」北京故宮博物院200選(2)です。
黄庭堅「草書諸上座帖巻」/北京故宮博物院200選(3)

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