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zoom RSS 絵画の価値(2)「財産性・投機性」

<<   作成日時 : 2012/04/07 22:26   >>

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はじめに断っておきたいのですが、私は絵画の「投機性」は絵画の本質的な価値だと思っていません。むしろそうした価値観を強く持つことを否定しています。絵画などの美術品がマネーゲームの対象となってしまうことは、美術品を見る内的な目をにごらせてしまうことになりかねないからです。

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●投資の対象として加熱した現代アート

少し前の話ですが、2009年9月のリーマンショック以前に日本の若手現代アート作家の絵画が急激に高騰したことがありました。

2007年10月23日、テレビ東京で放映された「ガイアの夜明け ニッポンの“美”を売れ 〜沸騰する現代アートの裏側〜」で放映された内容を参照しましょう。

『世界は今、空前の「現代アート」バブルの只中にある。今年(2007年)5月には、ニューヨークのオークションで、アンディ・ウォーホルの現代アート作品「Green Car Crush」が約86億円で落札された。そんな中で、日本人アーティストも注目を集めている。村上隆と奈良美智の作品は、10年前には10万円単位だったものが、今では1億円単位へと爆発的に値上がりし、世界のアートビジネスの寵児となった。・・・・ニューヨークのオークション、上海のアートフェアに彼らを追った。・・・』

この日の放映を見ても上海のアートフェアでは奈良の絵画がオープン後即1点7000万円で売却されました。そんな高値にも購入申し込みが殺到していましたが、その理由は間違いなくそれ以上の価格で売れるという判断からです。

      ■奈良美智作品
画像


ここでは日本人作家ブランドとして二人の名前が挙げられていますが、ニューヨークのオークションでは、作家数も点数も売上げにおいても中国人作家が日本人作家をはるかに凌いでいました。その裏には中国経済の発展に伴って台頭した新富裕層が現代アートに投資しているという現実があります。

お隣の韓国はどうでしょうか。韓国は2007年の2月から本格的な美術ブームが始まりました。これも一部の国内オークション会社がブームの火付け役となり、盧武鉉政権の不動産政策で不動産への投資にあまり魅力がなくなり、その資金が美術品に流れてきたことがブームを牽引したようです。その後次々にできたアートファンドが美術市場の専門家の諮問を受けて投機的に作品を購入。ファンドが目を付けた李禹煥などの人気ブランドの価格は半年ほどで急上昇しました。株と同じように上がった時点で売り抜けることで利益を手にすることが出来るのです。

しかし、11月頃から一旦値を下げ始めると投機筋の購入は激減。文字通りバブルの崩壊現象が始まり、上がりすぎた作家はオークション市場で不落札が続き、作家によってはつい1〜2ヶ月前の半額以下・・・。その後安定した取引に戻ってきてはいるものの投機にはこうしたリスクは付き物です。

ドギュメント「アートバブル’90」

●芸術作品の内的な財産性

絵画を初めとする一部の美術品は投機の対象として実際に利益をもたらしています。一定の資金を用意してそのゲームに参加することは自由ですが、あまりお勧めしたくはないものです。

もともと世の中に流通する美術品のほとんどは短期の投機には向きません。しかも、長い目で見てもそれほど値上がりなどしないものが多いのです。下手をすると値上がりしない絵は価値がないという誤解につながってしまいます。また投機性を持つ作家は全体の0.1%にも満たないでしょう。

真の美術品コレクターたちは値上がりへの期待はあったとしても値上がりを第一の動機として買ったりはしません。「その作品がいかに自分に喜びを与えてくれるか」という心に感じるものがあってこそお金を出そうとするのです。
「わくわくするアート」ハーブ&ドロシーから

また、もし値上がりはしなかったとしても、芸術作品は倒産した会社の株券のように価値がゼロになることはありません。つまり程度の差はあれ財産性があり、そうした財産性という価値は世代を超えて受け継がれます。さらに言えば、真の財産とは所有している人間の内面にもたらされたもののことです。

●それでも投機として買うためには

ここまで言っても「絵画の値上がり」に関心がある人も多いでしょう。ここで少しだけその現実にメスをいれてみたいと思います。

《若手作家》
若手作家に投資することのメリットは、最初の購入金額が比較的安価で済み、値上がりの幅が大きくみこめるという事です。

「ガイヤの夜明け」に出てきた奈良美智などの若手作家の作品が値上がりすることを予測できた人がいるとすれば、それはその作家をプロデュースしているディーラー(画商)です。ディーラーは一人の場合もあれば複数が手を組む場合もあります。

奈良美智は小山登美夫ギャラリーという画廊が世界市場に出しましたが、ここではそうした特定の作家や画廊をピックアップするのではなく一般的な内容として画商と作家の関係を紹介します。

ディーラーは自分がよいと思った若手作家を売り出すために、国内に構えたギャラリーで発表したり、美術雑誌に広告を打ったり、海外のアートフェアにブースを借りてその作家を出品したりという半端ではない経費をかけて売り出します。

その際、売り出そうとする作家の「作品内容」「制作量」「思想」「経歴」「人物」をよく知ることでその作家の将来性を判断します。

販売に際して画廊の利益は作家と契約の形態によって異なりますが、一般に現代アートの作家の画料は発表上代の50%です。ただし巨匠は作家の画料の比率は高く、若手はそれよりも低くなります。また、デパートで流通する作家も画料の比率は低くなります。

画廊はDMなどの印刷物を作り、雑誌などへの広告宣伝をし、画廊の家賃を払いながら運営しますので、画廊の利益はけっして多いわけではありません。

しかし売り出している作家の人気が出て価格が高騰してくれば、その画廊は労せずに販売し利益を上げられるようになります。

ここで、もし投機として若手作家の絵画を求める場合、その一つの方法は、実績のある画廊の扱い作家を買うことです。しかも人気が出てきたときにすぐ買うのです。ただし、自分の目を大切にする画廊は「投機だけで買おうとする人には売りたくない」という心理があることを覚えておいてください。また、その画廊が扱っている全ての作家が高騰するわけではないことは言うまでもありません。

こうして購入した作品が10倍になったとすれば、例えば10万円で購入した作品が市場で100万円になっていれば、画廊が50万円で買ってくれるかといえばそうでもありません。その作家がどんどん値上がりしているときは大丈夫ですが、若手作家の市場は安定性に欠けますので、買い取りのリスクを考えるともっと低い金額になることが多いでしょう。

でも10倍まで上がるならば確実に利益を手に入れられることは間違いありません。これが投機です。

オークション市場では作品の値段の動向がもっと敏感に落札価格に反映されます。上昇中ならばオークションが最も高く売却できる場所です。逆に出品して落札されなかった作品はその後販売しにくくなります。

オークションに関してはまた機会を持ってお伝えしたいと思います。

《有名巨匠作家》
ルノアールやピカソなどの世界市場の確固たるブランドになっている作家のものは、版画でも数百万、通常数千万円〜数十億円という高額です。ただし若手に比べて市場価格は安定しています。資金があって安全な投機を願っている人はこうした作家のものを買うのがいいのです。

その下のクラス、近代以降の数百万〜数千万の作家も、既に評価が固まっていて比較的多く作品が出回っている作家のものならば、安定した市場性があります。

ただしここで考えなければならないことは、投資の期間が利益が出るまでに長いことです。少なくとも10年以上は見なければなりません。つまり金利と期間を計算して作品転売の利益がそれを上回っているかということです。ここにもリスクはありますが大きく損をすることは少ないでしょう。こうした作品は財産性としての価値が高いといえます。

また、既に評価が固まっている作家は、作品によって価格に開きが出てきます。その作家の内容のよい作品はもっと高くなります。駄作は値段が上がりません。

例えば、評価が固まっていて市場性の高い作家のある作品が、もしもその作家の他の作品より極端に安い値段で市場に出ているとすれば、その作品は駄作であって投機としても価値の低い作品か、あるいは贋作である可能性がありますのでご注意を。

●コレクターと投機

ここまで読んでこられた方は、絵画の投機は作品の内容や市場を知らずに手を出すものではないということを理解されたと思います。結論として投機を第一義にしての美術品の購入はお勧めしません。

それでも投機を目論んで絵を買いたいという人はどうすればいいのでしょう。

ただの投機を目的とした人とは違ってコレクターは絵が好きで買います。その結果投機としての価値を手に入れていることが多いようです。従って投機に関心のある方もまずコレクターになることをお勧めします。コレクターのように「好きな絵」を買うならば、もし投機として失敗だったとしても後悔はありません。

コレクターは買おうとする作家のことや美術市場を研究します。そしてコレクターはお金を払って絵を買うことでさらに目を高めます。

極端なことを言えば100点の絵を見た人より、1点絵を買った人の方が目は育ちます。なぜなら、絵に身銭を切るということは自分の人生をかけてその絵を手に入れるわけで、絵に関わる真剣さが違うからです。

目が高まった人は投機的にも失敗しなくなるのです。
「わくわくするアート」ハーブ&ドロシーから

資金と目のあるコレクターは財産としても投機としても大きな富を手に入れている人がいるようです。それ以上に絵が感性と霊性を育てています。つまりお金を自らの内面に投資することで目に見えない財産に換えておられるのです。
絵画の価値(1)「インテリア性」
絵画の価値(3)「精神性」その1・生き様を映す絵
絵画の価値(4)「精神性」その2・潜在意識の浄化
絵画の価値(5)「情操教育」病める子供たちへ
画家とコレクター「平野遼」
絵画の見方(5)「誰でも絵が好きになる鑑賞法」
絵画の価値(6)精神性その3・磯部晶子「本性に語りかける花の絵」
絵画の価値(7)朴芳永「精神治療か魔除けか」

絵画の真贋鑑定―朴壽根(パク・スグン)

ドギュメント「アートバブル’90」



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