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zoom RSS ミケランジェロ彫刻「ピエタ」美しきミメーシス

<<   作成日時 : 2013/06/16 21:53   >>

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ピエタはイタリア語で「敬虔な心」「哀れみ」「慈悲心」などの意味があります。「ピエタ」は、死体となったイエスが十字架から下ろされ、聖母マリアの腕に抱かれた姿を描いた絵画や彫刻作品のことです。

ミケランジェロ彫刻「ダビデ像」気高い意志

■ミケランジェロ「ピエタ」1498〜1500サンピエトロ大聖堂
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ルネッサンス期を代表する彫刻家、画家、建築家、詩人であったミケランジェロ・ブオナローティ(1475年3月6日 - 1564年2月18日)は生涯に4点のピエタ像を制作しましたが、彼が24歳のときに完成させたバチカンのサン・ピエトロ大聖堂にあるピエタ以外の3点は未完成のままです。

サン・ピエトロ大聖堂のものはまさに完璧という言葉があてはまるほどの美しい調和に満ちています。

もう10年以上前になりますが、そのサン・ピエトロ大聖堂で「ピエタ像」を直接見る機会に恵まれました。たしか正面の右側の門から入ったところの近くで、少し下から見上げるような高さに置かれていて、多少距離のあるガラス越しではありましたが、その時の感動は今でも私の心の内に残されています。

ミケランジェロのこの「ピエタ像」には堂々とした印象がありました。私の中に残っているイメージは、マリアの頭部を頂点として底辺の広い二等辺三角形のような、ここに掲載した画像よりももっと横に広い構図の印象でした。おそらく画像よりも下から見上げた構図がそう見せたのでしょう。

まるで少女のように若いマリアの表情は、「ピエタ」の別名である「嘆きのマリア像」という言葉には似つかわしくなく、感情を静かに内に秘めています。イエス・キリストを産んだマリアという聖女の存在をさらに純化したように清楚です。
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死体となったイエスの体にはまだ魂の痕跡が残されているようで、それはマリアの腕にゆだねられ、彫刻全体からは「悲しみ」や「嘆き」というよりも、何かとても浄化された澄んだ霊気が漂っているように感じました。その澄んだ霊気は、大聖堂の荘厳な雰囲気も手伝い、確かな生命の波動となって見る者の心を振るわします。

それはいったいどこから来るのでしょうか。

カラヴァッジョとヴェントローネ「聖と俗」
キリスト磔刑図・私の十字架
ジョルジュ・ルオー「受難の道にさす光」

●芸術の理論と歴史(青山昌文著)より 緑字引用

ミケランジェロは、「芸術家の抱く観念・着想は、彼が彫ろうとしている大理石の内に、すでにあらかじめ内在している」という言葉を語っています。

さらに、ミケランジェロは、自分の主観的なイメージで彫刻をつくっているのではなく、大理石の中に既に完全な形で潜んでいる形態を感じ取り、大理石の無駄な部分を削除することによって石の中から彫刻作品という形態を引き出して(解き放って)いるというのです。

20世紀を代表する美術史家の一人であるシャルル・ド・トルナイは、ミケランジェロの彫刻制作に対して次のように述べています。

「物質それ自体は生命のないものである。芸術家こそが、大理石に眠っている潜在的な理念(イデア)を引き出すことによって、大理石の中に生命を吹き込むのである。・・・芸術家の魂の中にある内的イメージと、切り出したままの石塊の中に彼が見出すイメージとは同一のものである。何故なら、双方とも理念以外のなにものでもないからである」

石の中に理念が眠っているというのです。「その理念はミケランジェロの魂の中の理念と共鳴することで明確なイメージとなって作品として顕現するのだ」と私はこの言葉を解釈しています。共鳴はふたつの間の波長が同じでなければ起こりません。

ミケランジェロは、たとえば自然を支配しようなどという観念は微塵も持っていませんでした。彼は自然を尊重し「自然が望む完全な形態」をいかに表そうかという動機で大理石を削りました。それは、ミケランジェロが、自らを無にして、自らの魂が自然(世界)と共鳴・共振することで、はじめて自らの内に湧き上がるように導き出されてくるイメージ(形態)なのでしょう。

「神にゆだねる」という言葉を私は俗な言い方だと思っているのですが、「神にゆだねる」くらいの謙虚な姿勢こそが、つまりは無我の境地にあってこそ、「崇高な霊性」と「生命力」を宿した彫刻作品の「美しい形態」をあらわすことができるのかもしれません。

※プラトンのイデア(理念)『「心の目」「魂の目」によって洞察される純粋な形』

●人類の意識と呼応する理念
ここで、「石の中に潜在する(眠っている)理念」というものを考えてみた時に、その理念は、世界に充満する「人類の意識のエネルギー」を受け止めはしないでしょうか。

そのエネルギーは、芸術家(彫刻家)と彫刻の素材である大理石の両方に息づいている理念に関与するはずです。

ミケランジェロは世界の前に対象として立つことで、この時代の人間の意識のエネルギーを無意識のうちに感じ取って、それを自らの内なる理念にまじわらせ、彫刻という芸術の形に美しく再現したのです。

これがミメーシス(模倣・再現)の本質だと思うのです。

キリスト教的な神の創造としての自然を拡大すれば、即ちそれは人間を含めた「世界」です。世界と共鳴・共振するということは、ミケランジェロがいた当時のフィレンツェの共和制という政治体制や台頭しようとする新教とそれ以前の旧教がせめぎ合うキリスト教社会の中で生きるヨーロッパの人々の集合無意識にも触れることです。

ゆえにミケランジェロの彫刻には、時代を超えた神聖さと同時に、ルネッサンスという時代のみが醸し出せる香気が漂っているのです。

絵画の見方(4)「心に映るものを見る」

ミケランジェロ彫刻「ダビデ像」気高い意志

ここにサン・ピエトロ大聖堂の「ピエタ像」の画像をいくつか掲載しますが、角度や照明の当たり方が違うことで微妙な表情の違いを見せています。

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■その他のミケランジェロのピエタ像(未完成)
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ミケランジェロ彫刻「ダビデ像」気高い意志
「ラファエロの魅力」国立西洋美術館ラファエロ展から
キリスト磔刑図・私の十字架

「芸術と宗教」スピリチュアルなアート
「ボッティチェリ展」が語ってくるもの(東京都美術館)

ヴェネツィア・聖母・ティツィアーノとルネッサンスの巨匠たち

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