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zoom RSS ドギュメント「アートバブル’90」

<<   作成日時 : 2015/04/21 17:39   >>

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2015年2月7日、ポール・ゴーギャンの作品が史上最高額の3億ドル(約360億円)で落札された。
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タイトルは「Nafea Faa Ipoipo(ナファエ・ファア・イポイポ)=いつ結婚するの」(1892年作)。第一次タヒチ時代の名品だ。

非公開のプライベートセールだが、カタールの王室関係者が落札したらしい。

これまでの最高落札は、2011年にこれもカタール王室が落札したポール・セザンヌの「カード遊びをする人たち」2億5000万ドルであった。画家の箴言名言(3)ポール・セザンヌ「修行僧のごとく」
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この二つは美術館に納めるためのコレクションとみられる。

美術史における印象派およびポスト印象派のビッグネームたちは世界的に人気が高い。その作家たちの代表作といわれるものの多くは美術館におさまっており、なかなか市場には出てこない。ゆえに、名品が市場に出てくればこんな値段にまで跳ね上がってしまうのだ。

これは、人類の遺産とも言えるこの芸術作品を、熱烈に手に入れようとしている複数の人間がいた結果である。

ゴーギャンの「いつ結婚するの」は個人所有で、普段はスイスのバーゼルの美術館に寄託されており、そこからまた他の美術館に貸し出されたりすることでこれまでも公開されてきた。

個人所有のものはセールにかけることが出来るが、パブリックな美術館に収まっているものは、市場に出てくる可能性はなくなってしまう。


●マネーゲームの対象としての絵画
絵画などの美術品が、株や土地と同じように投機のために取引されることがある。つまり美術品がお金儲けの道具となるのである。

絵画の価値(2)「財産性・投機性」

古美術商と新画商「学びを逸した話」


日本ではバブル経済に乗じていた1990年前後にそうしたブームがあった。世界の経済は、基本的に「物」の価値つまりお金を増やすことを求めているのだが、下手をすると泡のように消えてしまう。

なぜならお金そのものには価値などないから。

しかし世の中はお金が無ければ不便であるように仕組まれているので、人々は皆お金を求めてしまう。価値も実体もないお金が人類を支配していると言ってもよい。

●実録・バブルオークション
さて、日本のバブル当時のあるオークション会場に私も後学のために足を運んだことがある。

ここに書くのは、あくまで私の記憶に頼った内容だ。オークションカタログもなにも資料になるものは私の手元には残っていない。

アートバブル花さかりの頃だったので、コレクターや老舗の画商だけでなく、私のような新参会社の社員やブローカーや海師山師たち、素人玄人入り乱れて会場を埋め尽くし200名以上は参加していただろうか。

そのオークションでの目玉作家は、ベルナール・ビュッフェだった。日本にはビュッフェ美術館があるほどで、現代作家としては当時は超が付くほどの人気作家だった。
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ビュッフェの1950年代60年代の作品は評価と人気が高い。その日は、たしかニューヨークの高層ビルを描いた100号くらいの油彩作品が出品されていた。エステメイト(予想落札価格)は正確には覚えていないが2000〜3000万くらいだったろうか。

それはオークション全体の最後の方での出品だった。

競売が進み、いよいよビュッフェの作品が近づいてくると、会場が次第にザワザワとし浮き足立ってきた。

オークショナーが、ビュッフェ作品の最初の価格をコールすると、あちこちから一斉にバタバタバタと音を立ててパドルがあがった。パドルには参加者のナンバーが記されている。

ビュッフェ以外の作品に対してはまばらにしかパドルは上がらないのに・・・。ほとんどの参加者がビュッフェ目当てだったと言っても過言ではないほど。正直言ってたまげた。

見学組の私でさえ、その勢いにおされて自分でもパドルを上げたくなったのを覚えている。さらに、自分が気に入っている作品が競売にかけられる度にパドルを上げたい衝動に駆られる。


金もなく資金も託されていない人間にとって、これは危険だ!

もし度胸のある人間か、よほどのアホならば、衝動にまかせてパドルを上げてしまうかもしれない。そんな人間がもし間違って落札してしまったならば、、、とコメディ映画のストーリーを考えてしまう。

私は度胸もなければそこまでアホにもなれなかった。幸いなのかどうかは分からないが。

話を戻そう。

ビュッフェの価格はみるみる上がっていった。価格の上昇とともに、それに付いていけない参加者は脱落してゆく。エステメイトを超えたくらいまではけっこうパドルはあがっていたようだが、それを過ぎるともう何人かに絞られていく。

4000万・・・5000万、まだ競っている。電話での注文も参加している。5500万・・・6000万、まだだ。・・・もうさすがに2〜3人の争いになる。

私が座っている場所から、最後まで競っていた人物の顔が見えた。身なりのしっかりした画商のような男性だ。40代くらいだろうか。

よく見ると、競っている本人が価格に呆れている表情と仕草だ。

結局その人が8000万くらいで落札し、会場には拍手が沸いた。面白い見世物だった。

ただ、落札した男性は決して喜んでいる様子はない。むしろ恥ずかしそうにしていたのが印象に残っている。おそらく顧客から依頼を受けて参加し、「金に糸目をつけないから絶対に落として欲しい」という至上命令を受けていたのだろう。

オークションによって差があるが、落札した人はハンマープライスに10%〜15%くらいの手数料と手数料に消費税をのせた金額を最終的に支払う。代理人を使った場合はその手数料もかかる。

その後、湾岸戦争の勃発によって日本中が踊らされたバブル経済の終焉とともに絵画市場も急速に萎んでいった。ビュッフェ作品はどんどんと値を下げ、一時はだれも見向きもしなくなった。

あれから4半世紀が過ぎようとしている。

●仕掛けられるオークション
ところで、あの夜、ベルナール・ビュッフェの市場価格は全体的に上昇した。オークションの結果が市場に影響を与えるからである。

先のゴーギャンやバブル当時のビュッフェは需要に対しての結果だ。仕掛けられたわけではないと思う。

ここでオークションをマネーゲームに利用するとしたらこうしたことが考えられる

一般的に評価が固まっているある特定の作家の作品を数多くコレクションしている人たちが複数いるとして、公開オークションでその人たちがその作家の作品を互いに競い合い、落札価格が高額になれば、自分たちが所有している作品の資産価値は一晩で上がることになる。

普通はできるだけ安く美術品を手に入れたいはずなのに、マネーとして見ればわざと高くすることで利益を得るのだ。

また、オークション会社としては、手数料商売であることを考えると、競り上がって高い落札価格で落として欲しい。ある高額の出品作品があるとする、それを絶対落札したいという顧客情報が入れば、対抗馬を立てることで価格を釣り上げてゆくことができる。

いずれにしても、資金さえ豊富にあれば、美術品にしても株にしてもお金を儲けやすい。

これを拡大して大きな視点から地球全体を見れば、一部の富豪が全ての経済をコントロールし操ることも可能といえる。

●美術品の内的価値
ここではっきりさせておきたいことは、美術品の本質は、本来、マネーゲームとは無縁だということだ。「芸術性」「精神性」が基本であり、そこに経済という価値があとからついてくるだけだ。

美術品の価値は「物」=「お金」ではない。

ゆえに、あなたの部屋のお気に入りの一枚の絵画こそが、最も価値ある一枚なのである。

絵画の価値(3)「精神性」その1・生き様を映す絵
絵画の価値(4)「精神性」その2・潜在意識の浄化
絵画の価値(5)「情操教育」病める子供たちへ
絵画の価値(6)精神性その3・磯部晶子「本性に語りかける花の絵」

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