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zoom RSS 国立西洋「フェルメールに帰属《聖プラクセディス》」のフィクションストーリー

<<   作成日時 : 2015/05/10 16:54   >>

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国立西洋美術館が、フェルメールに帰属するとしている作品『聖プラクセディス』の寄託を受けて2015年3月17日から常設展示している。

■ヨハネス・・フェルメールに帰属『聖プラクセディス』1655年(101.6×82.6)
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●産経ニュース3月15日付け記事から
「真珠の耳飾りの少女」などで知られる17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメール(1632〜75年)の作品との説がある「聖プラクセディス」(1655年)が、17日から国立西洋美術館(東京都台東区)で常設展示されている。・・・

古代ローマの聖人を描いたこの作品は、画面に残された署名と年紀から、若きフェルメールが17世紀イタリアの画家、フェリーチェ・フィケレッリの同名作品を模写した最初期の作とする見方がある。しかし、署名の解釈などをめぐって疑義を唱える研究者も多い。

昨年7月にロンドンでフェルメール作として競売にかけられ、手数料込みで約624万ポンド(当時のレートで約10億8600万円)で落札された。同美術館によると落札したのは日本人で、同年秋に寄託の申し出があったという。


■フェリーチェ・フィケレッリ『聖プラクセディス』1640年代
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私も国立西洋美術館に足を運び実物を見てみた。

フェルメール23歳。精緻な画風が完成する数年前の初期の作品なので、作品を見ただけでフェルメールとは気づかないというのが率直なところだ。


次にこの作品を真作とする「期待の声」と、そうではないとする「懐疑の声」を紹介したい。

《フェルメールの真作を主張する理由》
@画面右下の署名と年紀 Meer 1655
フェルメールはしばしばMeerの語を伴う署名を記している。そして「リポーゾ(フィケレッリの渾名)に従うメール(の作)」とオランダ語で解読できそうな銘文がある。

A白色の顔料である鉛白の同位体比がオランダのフランドル絵画に典型的な鉛白と共通した特徴を有し、イタリア絵画で用いた顔料ではない

Bフェルメール初期の作品『ディアナとニンフたち』(マウリッツハイツ美術館蔵)に使われている鉛白の同位体比がこれに極めて類似している

■ヨハネス・フェルメール『ディアナとニンフたち』1655〜56
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《真作ではないとする理由》
@イタリアを訪れた形跡のないフェルメールが、いつどこでフィケレッリの作品を見知ったかについての接点が見いだせない。

Aフェルメールの真作の署名に比べて筆跡が異なるとする見解がある。17世紀のオランダでイタリア留学経験のあるヤン・ファン・デル・メールを作者としてあげる学者もいる

B典型的な模写は手前から奥に向かって描くのに対して、手前の壺が後から描かれている。ゆえにフィケレッリ本人が描いたものと見る説がある


こうした論争が生まれるのは、フェルメールの作品として現存する数が30数点と極めて少ないことにも起因する。つまり1点の真作が貴重な作家である。


また、フィケレッリによる原作の単なる模写とも言えない特徴がこの作品にある。たとえば聖女の手には原作にない十字架が加えられ、空の青には極めて高価なラピスラズリが用いられているといったことだ。

それは「真作」を主張する声を後押しする。フェルメールの青にはラピスがよく用いられた。

学術的な研究は今後も続けられていくだろうし、それはそれで興味深く面白いものである。

上述した理由の全ては「技術的」あるいは「科学的」なアプローチから出てきたたものだ。このような学者による論理的な目は貴重ではあるが、もう一方で、直観により美術品に漂う霊性を見分けることのほうが実はもっと重要だ。開運!なんでも鑑定団「中島誠之助の贋物鑑定から学ぶ」

私の知り合いで美術的な感性の高い婦人が、「この絵と同時期の『マルタとマリアの家のキリスト』を見たことがあるけど、どこかこれと同じ匂いがする」と言った。論理的にはなんの説得力もないそうした直観が意外と真実を示していたりするものである。

■ヨハネス・フェルメール『マルタとマリアの家のキリスト』1654〜55
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ところで、これをフェルメールが模写した真筆と仮定した上での小説が生まれてもよいものだ。

私は、原作の詳しい来歴が調べられているのかどうかは分からないし、フェルメールの生涯も詳しくはない。と前置きしてあえて適当なストーリーを思いつくまま述べてみよう。

●Fiction by RYOTA
イタリアで描かれたフィケレッリの『聖プラクセディス』が、ある富豪の手により極秘裏にオランダに持ち込まれた。

フェルメールは1954年〜55年にかけて『マルタとマリアの家のキリスト』という宗教的な題材の絵を描き終えている。その絵を見た富豪がフェルメールにフィケレッリの「聖プラクセディス」の模写を依頼する。

富豪がフェルメールに語った依頼の動機は、戦場で失った一人息子の鎮魂の意味であったが、その背後に息子が戦場で出会った一人の娼婦の存在があった。・・・・

この作品のモデルは古代ローマの聖女で、首や腕が切断されたキリスト教殉教者の血を海綿でふきとり絞っている図である。依頼者である富豪の息子は殉教に等しい死に方だったのだ。そして息子にまつわるその娼婦はじつは・・・。

フェルメールは依頼主と元娼婦と交流してゆくうちに宗教が戦争の温床となっていることに気づいてゆく。崇高な生き様と宗教者の欺瞞。交差する聖と俗の狭間でフェルメールの心は揺れ動く。

フェルメールが宗教的な題材を描かなくなり、1956年から風俗画家となってゆくきっかけが、じつはこの一枚の絵の中にあった。

作品完成後にフェルメールは(ある理由があって)自分の署名をするのを拒んだ。ゆえに依頼主は内緒で他人に命じてMeerの署名を入れさせ手元に置き、原画は極秘のうちにイタリアに戻される。


ってな作り話はどうだろう。


■ヨハネス・フェルメール『娼婦(取り持ち女)』1656年
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フェルメール「真珠の耳飾りの少女」珠玉のトローニー

国立西洋美術館「常設展15選」


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