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zoom RSS 「紫砂茶壺の効用」プーアル茶のおいしい淹れ方3

<<   作成日時 : 2015/07/12 22:17   >>

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このブログで3回目のプーアル茶だが、今回は中国茶を淹れる茶器の中から急須である「紫砂壺」の魅力を少し紹介したい。
静嘉堂文庫美術館の紫砂茶壺(茶銚)名品

プーアル茶のおいしい淹れ方と紫砂茶壺
「無い味」と「余白」と「李禹煥」プーアル茶のおいしい淹れ方2

中国茶を淹れる茶器として茶碗がよく使われるが、もともと美術品として茶器を見ていたので、特に紫砂壺に興味を持つようになった。しかし今回はお茶を美味しく淹れるための紫砂壺の実用的な魅力を紹介したい。これから買ってみようとする人には必ず役に立つ。

※紫砂壺について基本から高いレベルまで総合的に学べるサイトは「壺迷」http://www.bekkoame.ne.jp/~bozhi/ 

●紫砂茶壺とは
紫砂茶壺は伝統的に中国江蘇省宜興で作られてきた。ここは材料である紫砂泥が産出するが、最近はよい土が少なくなってしまったようだ。

民国時代中期以前の骨董品(古壺)や有名物故作家のものだと数百万円を超えるものがある。

古壺も有名物故作家の作品も贋物が多い。市場に出てくるのはほとんどそうだと言ってもよい。また現代の高級な作家も高いものは百万円を超えたりする。投機でもない限り買おうとする人は少ないと思うがよく調べたほうがいい。

それに比べて私が持っている紫砂茶壺は実用品のレベルであってまったくコレクションとはいえる代物ではない。

私がこれまで自分の目でわかる美術品級といえる茶器を買ったのは、韓国の申鉉哲(シン・ヒョンチョル)という陶芸作家の急須と茶碗の茶器セットを彼の窯を訪ねたときに買ったのが最初だった。15年以上前のことだ。当時10万円もしなかったが、今その茶器を30万円出すから譲って欲しいと言われても売りたくはない。

申鉉哲の粉青砂器(ふんせいさぎ)の茶器は見ているだけでうっとりする。造形も力があり釉色が深く貫入が美しい。手触りもいい。写真は載せないが今回は紫砂茶壺がテーマだからいいだろう。

●養壺(ヤンフー)
美術品的要素があると言っても道具なので使うものだ。特に紫砂壺はだいじに使えば輝きを増す。

「養壺」というが、使いながら紫砂壺をみがくことで光沢を持つようになる。これは茶葉の成分の中に微細な油分があり、それが紫砂壺の表面に出てきて、あるいは付着して、それを磨くことで光沢を得るのである。収穫前の茶葉は椿の葉のように油分でてかてかしている。

土味のよいものは養壺するとすぐに輝いてくるが、土がよくないものは時間がかかったり育たない。

ただし養壺の目的は、茶器を磨く(愛でる)ことによって自分自身の内面を磨く(養う)ことだと思う。そうした内的要素がお茶をおいしく淹れることに繋がる。

茶器は手荒に扱えば壊れるし劣化も早く進む。私はどうも茶器の扱いがおおざっぱなので、恥ずかしながらこれまでけっこう傷つけてきた。語る資格が無いのに語っているのを許されたし。

●紫砂茶壺をなぜ使うのか
紫砂茶壺を使ういくつかの理由がある。

@紫砂泥がお茶の雑味を取ってまろやかにして美味しくする。
A紫砂茶壺の形状はお茶を淹れやすく機能性がある。
B紫砂茶壺のよいものはバランスが取れていて形が美しい。見ていて気持ちよい。

このように実用に優れていることと同時に鑑賞の魅力がある。

鑑賞においては、例えばよい茶壺はバランスがいい。そして伝統的なものの方が奇抜なデザインよりもよい。飽きない。シンプルな形の中に絶妙な調和があるのだ。鑑賞を中心に話し出すと取りとめもなくなるので最後のほうに重要な内容を記す。

●マイ茶壺(紫砂茶壺)
まずここで私が使っている紫砂茶壺を4つほど紹介したい。けっして高いものではなく、使って欠けてしまったものもある。

買った当時の値段と実用的な特徴を書き入れておく。

■紫泥の標準的な茶壺 110cc
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これはソウルで朝鮮族の中国人が経営している店で最近買ったもの。安くしていただいて約3万円ほど。現代作家の作品だが土がいいので養壺すればよく育つだろう。これでプーアル生茶の老茶をいれると雑味が取れてすっきりと淹れられる。水(お茶)の出は普通によい。作家名聞いたけど忘れた。

■朱泥の倣古壺 175cc
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倣古壺とは形式のことを指している。伝統的な様式。これも上記の店で5年くらい前で約3万円。現代作家。この店の主人は自分で紫砂の材料を大量に持っていて作家に作らせているが上の紫泥の方が土がいい。水の出はよく尻漏れもない。高いところから水を落とすと綺麗な放物線を描く。この作家名も忘れたが現代作家は底の刻印を見れば書いてある。

■原鉱老朱泥の茶壺 175cc
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蓋を手から落として珠(頭)が取れてしまった。表面に材料の原鉱の粒粒が少し見える。梨皮までいかない。この茶壺はプーアルの熟茶専用に使っている。臭みを押さえてお茶をマイルドにする。水の出は抜群。5年くらい前に日本のネット通販で5万円。作家名は入らず裏に漢詩を刻んでいる。民国時代の品。本当に民国かどうかはわからないがしっかりとした作りだ。

■内紫外紅の水平壺 150cc
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5年くらい前ネットで7千円。先っぽの嘴をぶつけて欠けてしまった。文革時代で内側が色味の悪い紫泥、外側には紅泥を着せている。タタラ造りではなく型出しっぽい。手工芸の陰刻が施されており字は「梅開富貴」、反対側に梅の図。水の出はよい。形は使いやすくお茶を淹れやすいのがいいがこの茶壺は少し安っぽい。


●水(お茶)の出
私は水の出にこだわっている。私が買う茶壺は基本が道具としてだからだ。

一度ネット通販で買って失敗したことがあった。それであるとき、ネット販売のサイトで気に入った作家ものの紫砂茶壺があったので「水の出はいいか」とメールで訊ねてみたところ、そこの女店長から「そんなの大きな問題ではない」という返信が返ってきた。

古壺で味わいが深いならまだしも、どんなに形が美しいといっても、道具としての機能を満たさないのならば私は満足できない。水の出が悪いと美味しく茶を淹れるのは難しい。

●神韻
これを感じ取るのは容易くない。理屈ではないからだ。正直私も神韻を感じる茶壺に直に出会ったことは無い。写真ではあるが。神韻を解りやすい言葉で言うなら気品や風格と言ったらよいだろうか。また、このブログで何度も出してきた「気韻生動」がヒントになるだろう。
黄庭堅「草書諸上座帖巻」/北京故宮博物院200選(3)
神品「清明上河図巻」/北京故宮博物院(1)
李重煕「気韻生動と五方色」
富岡鉄斎「没後90年」(出光美術館)自在の画境

上述した作家の書や絵画には神韻が漂うものがある。

日本人の美意識の中に不完全なものの中に美を見出すということがある。ただし基本は微妙なバランスと陰陽の調和が取れたものでなければ「神韻」には至らないだろう。

「神韻」は美術品のレベルだ。先に紹介した「壺迷」サイトの管理者はトップコレクターなので、いくら機能がよくても茶壺に神韻のないものは使う気がしないという。

道具レベルで茶壺を所有している私とはえらい違いのようだが、実は私が持っている紫砂壺もそれほど悪くはない。安いなりに作家の高い技術と愛情のこめられた作品である。ただしこれを感じるにはお金を出して一点買って見なければわからない。

茶壺であれ書であれ絵画であれ、真に神韻のある美術品にはめったに出会えるものではない。

バランスのよいもの、陰陽が調和したものを見ると人間の心もバランスと調和を取り戻す。

また作家が高い技術で愛情を持って作ったものからは何かしらの気韻が漂い、愛でることで見る者の気持ちを高める。ここに美術品としての力がある。

お茶を淹れるときに、よい茶器を扱うことで心の調和を高めることが出来るならば、より美味しく淹れられるのは間違いない。

結局、美術品という要素を持つ紫砂茶壺は美味しくお茶を淹れるという実用を満たすことが出来るのである。

型だしではない手工品で、程度のよい紫砂茶壺は、現代作家のもので3万前後を出すことを覚悟したほうがいい。買ってみて使ってみてはじめてその魅力を実感できる。

一つは買ってみなければわからないのは絵も同じだ。

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極める紫砂茶壺?中国茶急須の選び方・愉しみ方
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池上 麻由子

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