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zoom RSS ピカソ「ゲルニカ」とボブ・ディラン

<<   作成日時 : 2017/04/25 17:21  

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●ボブ・ディラン「風に吹かれて」
昨年暮れに、シンガー・ソングライターのボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞しました。

何年間も毎年ノーベル文学賞の候補に挙がり、ついに受賞したのです。

何を隠そうこの私もボブ・ディランのファンで、70年代、大学生の頃には、東京公演に出かけて行ったほどです。でも訳された詩の内容までよく読んで曲を聴いてはいませんでした。

1963年にリリースされた「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」は、多くのミュージシャンに衝撃を与え、ピーター・ポール&マリーがカヴァーして、大ヒットし、作者のディランは一躍有名になりました。

この曲はその後もスティービーワンダーやプレスリーやニール・ヤングなど20人以上のアーティストが自分のアルバムに収録しています。

単純なリフレインの美しいメロディ、そしてその歌詞には社会的な意味が込められ、60年代のアメリカ公民権運動の賛歌とまで呼ばれました。

■ボブ・ディラン「風に吹かれて」(1番歌詞)
どれだけ道を歩けばいいのか? 一人前の男と呼ばれるまでに。
いくつの海を白い鳩は渡らなければならないのか? 砂浜でやすらぐまでに。
何回砲弾が飛ばねばならないのか? 武器が永久に禁じられるまでに。
その答えは、友よ、風に舞っている。
答えは風に舞っている

(訳・湯浅学)

下は、当時21歳のディランがこの歌詞に対して語ったコメントです。

「答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見ても分からない。風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。・・・(中略)紙切れみたいに、いつかは地上に降りてこなきゃならない。でも、折角降りてきても、誰も拾って読もうとしないから、誰にも見られず理解されず、また飛んでいっちまう。(後略)」


「風に吹かれて」のように、社会を告発する歌をプロテストソングと呼んでいました。

50年以上前に発表された「風に吹かれて」の歌詞は、現代社会(世界)に対しても、あるいは私個人に対しても時代を超えて迫ってくるものがあります。

社会(世界)的には、テロや北朝鮮の核問題から発する「戦争の危機」、そして個人的には「この歳になっても、一人前の男と呼ばれるために、どれだけの道を歩めばいいのだろう」といった思いです。内的な意味で。

人類においても個人においても、「いつまでたっても・・・」なのです。

●パブロ・ピカソ「ゲルニカ」
美術においても社会(世界)を告発するものがありました。有名なものではピカソの「ゲルニカ」です。
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1937年4月26日、スペインのバスク地方ゲルニカが、内戦でフランコ政権を支持するドイツから都市無差別爆撃を受けたあと、ピカソは「ゲルニカ」というタイトルで349×777cmの大作を描きました。

ピカソは、ちょうどこの年に開催されるパリ万国博覧会のスペイン館のために作品を依頼されていて、ゲルニカ爆撃の悲報を聞き、すぐさま主題を決めて制作に取り掛かったのです。

この作品には何かを象徴する事物(牛や馬やランプなど)や悲鳴をあげる人間の姿などが描かれています。無差別な暴力が生み出した悲劇を迫力のある造形で描き、そこに見事な秩序を与えることで見る者を惹きつけます。そして戦争という暴力に対する抗議の意志を感じさせるのです。

ここで一つピカソの言葉を紹介します。
「精神的な価値によって生き、且つ創造する芸術家は、人類や文明の最も本質的なものを危険にさらす戦いに無関心ではいられないし、又無関心であってはならないと常に考えて来たし、今も又そのように考えている。」

ここで語られている「戦い」は戦争に限ったことでないのはもちろんのことです。

もう一つ
「絵画は家を飾りたてるためにあるのではない。それは敵を攻撃するための、あるいは敵の攻撃から身を守る為の武器なのだ。」

私はこの言葉に、絵画の「気学(風水)的な力」と「精神的な力」の両方が思い浮かびます。

敵=邪悪なものと考えるのであれば、絵画は敵(邪悪なもの)を退けるエネルギーを持っています。なぜなら、邪悪なものに打ち勝つ力は愛の力ですから。絵画の「美」は「愛」によってもたらされるのです。

●平和をもたらす芸術行為
音楽と文学のボブ・ディラン、そして美術のピカソ。この希代の芸術家たちは、デモをしたり、マスコミに出て戦争や社会を批判するわけではありません。

彼らはどんな時も歌を作って歌い、また絵筆を走らせて絵を描くことが本分です。

たとえ何かを告発しなくても、そうした芸術行為そのものによって世界に平和をもたらしているのです。

私たちも「歌」を聞き「絵」を鑑賞するという芸術行為を通して、自分の中の邪悪なものを追い払うことができるはずです。その結果、心に平和がもたらされます。すると「歌」や「絵」はやはり平和のための武器なのです。


最後にボブ・ディランの「時代は変わる」の中で歌われている詩の一節を紹介しましょう。
「For the loser now Will be later to win」
今日の敗者はやがて勝者となる。


いま、貴方が敗者のみじめさを味わっているとしても嘆く必要はありません。いずれ貴方は勝者になります。

もっと言うならば、この世には「勝者も敗者もないのです」


(6)パブロ・ピカソ「虚構の中の真実」
(8)パブロ・ピカソ箱根彫刻の森美術館から
天才画家ピカソ「無垢へのあこがれ」
パブロ・ピカソ「キュビズム」と作品の変遷


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