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zoom RSS 奇想の画家ヒエロニムス・ボスと枝葉の刺繍の画家

<<   作成日時 : 2017/06/16 19:17  

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ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」展に同時展示されていた作品の中で私が最も惹かれた4点の作品を紹介したい。その中には、かの奇想の画家ヒエロニムス・ボス(1450年頃〜1516年8月9日、ネーデルランドの画家)の傑作が2点ある。

ブリューゲル「バベルの塔」解説(人類の理想を見る)

■ヒエロニムス・ボス「放浪者(行商人)」(1500年頃)71×70cm
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ボスは日常生活風景を初めて描いた作家のひとりと言われているが、ボスの作品と特定され現存する作品は30点ほどだ。16世紀の宗教改革で偶像崇拝排除のあおりを受けて多くが紛失している。

「放浪者(行商人)」と題されたこの絵には様々な暗示が描かれている。

服のほころびや左右不揃いの靴からこの男の貧しさがうかがえる。後ろの家は娼家で、鳩小屋と白鳥の看板がそれを表している。そこで金を使い果たして出て来たのか、通りすがりなのか、あるいは戻ろうとしているのか、見る者の想像を掻き立てるような描き方だ。

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色ごとにはまると貧しくなるという教訓だろうか。絵が円形なのは鏡を仄めかし、見る者はこの貧しい行商人に自らを投影させて見せられるという解釈がある。

木の上から男を見据えるフクロウがいる。日本ではフクロウは縁起ものだが、ここでは「不吉」なものの象徴として描かれている。

もともと三連画の一枚とのことだが、まわりに描かれているものとは関係なく独立した一枚の作品として主張しているものは多い。
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■ヒエロニムス・ボス「聖クリストフォロス」(1500年頃)113×71.5cm
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この作品に纏わる物語はキリスト教の教派によって違うらしい。クリストフォロスの原意は「キリストを背負うもの」。3世紀のローマ皇帝デキウスの時代に殉教したキリスト教の聖人のことである。

この絵の中で背負われている子供はイエス・キリストだ。

伝承ではクリストフォロスはもともとレプロブスという名前のローマ人だった。キリストを慕い改宗した彼は人々への奉仕を決心して危険な川を渡るのを手助けしていたが、ある男の子を背負って渡ったときにそのあまりの重さに驚愕し名を尋ねて見ると、なんとキリストであった。

イエスは全世界の人々の罪を背負っているので重かったのである。

イエスはレプロブスが持っていた杖を地面に突き刺すように命じた。彼がそうすると杖から枝と葉が生えだし、みるみる巨木となった。後にこの木を見た多くの人々がキリスト教に改宗した。この話は同地の王(伝承によってはデキウス帝)の知るところとなり、クリストフォロスは捕らえられ、拷問を受けたあとで斬首されたという。

ヒエロニムス・ボスの「聖クリストフォルス」が面白いのは彼が得意とする象徴的な事物が描かれていることだ。これらは彼の想像の産物なのかあるいは啓示的なものなのかはわからないが面白い。

不気味な怪獣が後ろに迫って人が逃げている姿が描かれ、右側の木の上には奇妙な事物が描かれている。また熊が吊るされている姿は悪に対する勝利を意味するというが、観る者の想像を様々に掻き立ててやまない。
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解説に捕らわれずに自分で考えてみたら面白いのだが、キリスト教をはじめとする象徴的な事物に対する基本知識が問われるのは致し方ない。



「枝葉の刺繍の画家」は作家名が記録に残っておらずこのように呼ばれていたようだ。名前の由来は、光の粒のように葉を模した刺繍を想わせる特徴的な画法にある。装飾的で魅力的だ。

美術館のライティングもあってか絵画全体が輝いていて、15〜16世紀の画家の作品のイメージを覆す明るさがある。

■枝葉の刺繍の画家「聖カタリナ」(1500年頃)96.6×62.8cm
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■枝葉の刺繍の画家「聖バルバラ」(1500年頃)96×63.5cm
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この二つの絵も三連祭壇画の両翼として描かれたもので、上下は切り落とされている。中央にどんな絵があったかは定かではない。

聖カタリナ(287〜305年)も聖バルバラ(3世紀)も中世に広く敬愛された女性の聖人で、様々な病から信者を保護するとされる十四救難聖人の一人である。中世に流行したペストの患者の救済を求めるときに人々は聖カタリナに祈りをささげた。

カタリナが斬首された際に、首の傷口から治癒力のあるミルクが流れ出て、アレクサンドリアからペストを一掃したと言われている。カタリナを描くときは自らを斬首したという剣を一緒に描くのが決まりごとのようだ。

バルバラもキリスト教信仰ゆえに最後には斬首されているが、この絵では殉教を象徴する棕櫚(しゅろ)の枝を手にしている。異教徒であった父親は剣で娘のバルバラを殺害して間もなく、雷に打たれて死んだ。

聖バルバラは、発熱や急死から人々を護り、鉱山や火を扱うなど危険な場所で働く人々の守護聖人となる。

4世紀にローマが国教として受け入れる前の初期のキリスト教は迫害の歴史であった。上記の聖人たちはキリスト教史上の登場人物であり、皆斬首されている。

命を懸けて信仰していた時代だったが、彼らにまつわる奇跡のような話だけでなく、キリストが起こした奇跡も誇大されたものだけではないと思う。現代の量子物理学的には証明されうるものも多いだろう。

ここでの精査は避けるが、奇跡は、昔から今日に至るまで、いつでもどこでも起こっている。その原因となる力は人間の意識だ。気づいているかどうかは別の話だが。


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