「わくわくするアート」ハーブ&ドロシーから

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★世界的現代アートコレクター★

ニューヨークで美術品コレクターとして超有名な人物にフォーゲル夫妻がいます。

(ドギュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー―アートの森の小さな巨人」の主人公)
映画のレビューブログ記事

フォーゲル夫妻が1960年から蒐集した点数は4000点にものぼり、彼らのコレクションは、コンセプチュアル、ミニマルといった現代アートの最も重要なコレクションの一つとして専門家たちから認められました。

ニューヨークのアートシーンと言えば、当然、大富豪や社交界などの華やかな世界と関係が深いのですが、評価の高い高額な美術品を数多く購入できるのは、やはりそうしたお金持ちです。

しかし、フォーゲル夫妻の夫のハーバードは郵便局員、妻のドロシーは図書館司書といういわばサラリーマン。その住まいも質素で、アメリカの人気テレビ番組で紹介されたそうですが、ワンベッドルームの小さなアパートです。

なぜサラリーマン夫妻が専門家の評価の高い現代アートのコレクションを為すことができたのでしょうか。

それは、一つには作家と作品を愛情を持って見つめてきたからだといえます。

未だ世に認められる前の一般的に評価されないアーティストの作品であったとしても、自分でそれがよいと思えば、自分自信の目を信じて買い続けました。

つまり、誰かの評価に左右されずに、それが将来どうなるかと心配せず、自分がよろこびを感じた作品であれば、自分の責任で迷わず買い続けたのです。

「自分にとってどうなのか」 

これは、美術品を買う上でとても重要なことです。

フォーゲル夫妻は専門家に劣らないほど勉強し、作品の良し悪しを見分けられる慧眼の持ち主となりました。

それは、勉強以上にコレクションをすることを通して自分の感性とよろこびに投資して得られた結果です。

ご夫妻の凄さはそれだけではありません。

蒐集した作品を投機的利益を得るためにいたずらに売りさばくことなど一切せずに、買い続けたコレクションの中から、全米50州の美術館に一点ずつ寄贈し、ついにはコレクション全体を国立美術館に無償で寄贈することで、社会に還元しているのです。

だからこそ、身長150センチくらいの小柄なフォーゲル夫妻をアートイベントで見かけると、誰もが尊敬の念をあらわにして話しかけるのでしょう。

★よい美術品を引き寄せるのは精神的な豊かさ★

フォーゲル夫妻のコレクションは、美術品蒐集にはお金よりももっと大切なものがあることに気づかせてくれます。

当然のことですがお金がなければ欲しい物は手に入れることはできません。また時が経つにつれて優れた美術品には財産性が生まれ、お金としての価値が高まることがあります。

しかし、ここでお伝えしたいことは、美術品の本質的な価値は、お金に換算するという外的な価値ではなく、もっと内的なものだということです。

ではフォーゲル夫妻が収入のほとんどを美術品に注ぎ込んだ動機が、お金を儲けるための「投機」でなかったとするならば、いったいなんだったのでしょうか。

それは美術品との出会いと蒐集にワクワクするようなよろこびを感じ、ただそれを求め続けたに過ぎないのです。

「名誉」と「財産的な価値」は後からついてきただけです。

美術品は愛するよろこびにも似た内的なエネルギーを喚起します。

美術品と引き合う人間の内的なエネルギーとは、「精神」(厳密に言うならば「魂」)から発するエネルギーです。

つまり人々の内なる精神性や霊性こそが美術品と相対するのです。

人間が精神的な豊かさを求めるときに、あるいは豊かな精神性を持っているときに、それに見合った美術品が引き寄せられてくると言ってもよいでしょう。

そして真に自分と共鳴する美術品との出会いをし、それに気付いたときに、ワクワクとしたよろこびとを感じるようになっています。

そのよろこびは、物質的なそれとは次元が違います。

フォーゲル夫妻にとって気に入った美術品のコレクションは、極めて個人的なワクワク感-よろこびに従った行為です。

であればこそ、秀逸な4000点というコレクションにまでつながったのです。


★魂を成長させるアート★

誰でも自分に合った美術品との出会いはあるものです。

それに気付くのか見過ごしてしまうのかが、より大きな幸せを手に入れるかどうかの分岐点であると言ったらおおげさでしょうか。

いずれにしても美術品は、時に人々の心の痛みを癒やし、解放へと向かわせます。

さらに人間の内的な進化にかかわる力を秘めています。

そうした意味で美術品は贅沢品でもなんでもありません。むしろ車やテレビと同じように必需品なのです。

精神的な必需品です。

私は世の中のもっと多くの人々に、芸術作品とともに生きていって欲しいと思っています。

このブログでは、いままで絵画をはじめとする美術品によく親しんできた方、あるいは絵を見る機会があまり無かった方、どんな方でも本質的に絵を楽しみたいという人々のお手伝いをしてゆきたいと思っています。

ぜひとも皆様ご自身のわくわくアートを見出してください。

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この記事へのコメント

そしみ
2010年12月24日 18:23
北京のそしみです。
 精神世界や感情、事物の内面を描き出すのが画家なら、RYOTAさんは文章をとおして画家と美術の魅力を引き出す芸術家だと思います。
 美術も好きですが、RYOTAさんの「文章による描写」に魅せられた者として、ブログの開設を心からお喜び申し上げます。
ゆりかもめ
2014年03月21日 01:48
わたしも絵画の様な文章に感動した1人です。
近頃更新が無く寂しいですが…
お仕事ご多忙故の事ですね…
これからもこの素敵なブログを通して多くの方々にワクワクを与えて続けて下さる事を願っています…。

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