韓国の画家「韓流ファインアート」

このブログには「韓流ファインアート」という柱があります。

このブログの一つの使命として、韓国で現在活躍している画家や歴史上重要な韓国の画家たちを紹介しています。しかもほとんどが筆者が韓国の画家たちにじかに接した体験からの紹介記事です。

韓流(ハンリュウ)ブームは、2003年からNHK衛星放送で始まったペ・ヨンジュンの「冬のソナタ」が、中高年のオバ様たちの見果てぬ夢―青春時代の純愛の情を呼び覚まして、ロングランのヒットを遂げたところから始まりました。

ちなみに私はオバサマではなくオジサマですがこの世代にひっかかります。

現在は第二次韓流ブームで、Kポップのスターたちが日本の若者たちの間で人気となっているようです。

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        ※李曰鍾「生活の中の中道」

韓流ブームの秘密

この韓流人気の秘密を考えてみると、その火付け役ぺ・ヨンジュンの「冬のソナタ」がブームだった頃、ある映画監督が語っていた次の言葉を思い出します。

「アップでじっと相手を見つめて絵になる男優が日本にはいなくなった」

もちろん日本にもそんな俳優は居るのですが、現代日本の世相が重厚で濃密なものよりも軽薄なものを求めてきたせいか、あまり見なくなってしまいました。

韓流ブームは、演じる人、俳優という「個」あるいは歌手という「個」の魅力が、中高年日本人女性の甘く切ないノスタルジーをくすぐる形であらわされたところにあるようです。

爽やかさと影が入り混じったイケメン「ヨン様」という個の魅力が最初にあっての韓流ブームでした。

そして、ヨン様は西洋人でも日本人でもなく、まぎれもない生粋の韓国人です。

ある政治家のエピソード

2005年に北海道の苫小牧という都市で日韓中の現代作家の作品による絵画展を開催しました。

そのオープニングに、絵画展実行委員の方の紹介で、ある大物政治家が来場され、そこで一言スピーチをいただきました。

スピーチの内容は以下のとおり。

『今年84歳になる母親が韓国語を学んでいます。「その歳にになってどうして?」と訊いたら、母親は「ヨン様と韓国語で話をしたいから」と言うのです。』

会場は沸きました。

そして『あなた方の芸術文化はすぐに国境を越えられます。その点わたしたち政治の世界はもっと努力しなければいけません』と締めくくりました。

こんな気の利いたスピーチをした大物政治家は、何を隠そう総理になる前の鳩山由紀夫です。

韓流ファインアートの意義

韓国に深く関わった日本人として感じるのは、日韓の間には玄界灘よりも深い歴史的な溝があるということです。

韓流ブームははたしてこの溝を埋めたのでしょうか?

歴史的な溝は、互いの血に溶け込んでしまい、そこから偏見が生まれます。

もし、芸術文化が、鳩山が語ったように国境を越えることが出来るものならば、芸術文化の交流こそが、民族間の偏見を解いて世界平和を推し進めるはずです。

特に「ファインアート=美術」は線描と造形と色彩による視覚芸術ですが、西洋の文化様式が定着してしまった現代社会においても、民族本来の心情世界を美しく喚起しあるいは伝達する原初的なエネルギーを備えています。

そうです、ファインアートは、理屈を超えて見る者の血(情)に深く働きかけます。

そして凝り固まった情を解き放つのです。

なぜなら、ファインアートに惹かれたときに、人はそこに自分自身を感じるからです。

異国の異民族の情緒が息づくアートだったとしても、自分の中にもある同質的な何かを感じるがゆえによろこびを覚えるのです。

柳宗悦の民芸運動に影響を与えた工芸芸術の韓流

「民芸運動」の創始者・柳宗悦は哲学者ですが、民芸運動の原動力となった朝鮮の工芸品や民画に美学的な価値を見出して、朝鮮半島を植民地支配していた当時の日本に紹介しました。
朝鮮民画(1)「民画とは」


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       ※朝鮮民画「虎と鵲」

韓国人は「日本人の血に近く」ありながら、日本人にない美的世界を持っています。

いや、その美は、日本人が全く持ち合わせていないのではなく、島国の中で変質していっただけなのです。

ゆえに、柳が紹介した朝鮮の民芸の美も、ヨン様の韓流ブームも、遥か遠い昔に置き忘れてきたものを見つけ出したようなよろこびを感じさせるのです。


「韓流ファインアート」は「韓国から流れてきて人気になった美術」つまり「韓流美術」を横文字でかっこつけて言っただけで、私の造語です。

映画やドラマやKポップの韓流ブームは日本を通じてアジアや世界に発信され、大きなマーケットを獲得しています。

日本人が現代の韓国美術の魅力を受け止め、同時に逆の流れが生まれることで、内的には両国のより深い心情的な理解が深まる、それが「韓流ファインアート」にかけた私の願いです。

そのためには、日本の美術界がまず外的なマーケットからしてもっと元気にならなければならないのですが。


日本の美術館に入っている韓国作家

主に現代アートを中心に世界的に活躍している韓国作家は巨匠・若手を問わずけっこういます。

このブログで紹介してきた韓国作家は大御所が多く、韓国の重要な美術館だけでなく日本の東京国立近代美術館福岡アジア美術館大原美術館、その他宮城や富山などの地方県立美術館などにも収蔵されています。


【このブログで紹介した現代韓国作家たち】
●巨匠作家
金昌烈(キム・チャンギョル)
徐世鈺(ソ・セオク)
朴栖甫(パク・ソボ)
権玉淵(クォン・オギョン)
閔庚甲(ミン・ギョンカプ)
朴敦(パク・ドン)
河鍾賢(ハ・ジョンヒョン)
李満益(イ・マニック)
「愛の舞踏」徐世鈺からの物語
金宗福(キム・ジョンボク)
宋栄邦「五彩墨香」韓国国立現代美術館個展
絵画の真贋鑑定―朴壽根(パク・スグン)
平山郁夫・金興洙二人展回想ーKIM SOU死去

権玉淵「望郷の図」老人の涙
閔庚甲「ソウル市立美術館個展」

●中堅作家
金鳳台(キム・ボンテ)
金守益(キム・スーイク)
李重煕(イ・ジュンヒ)
李重煕「気韻生動と五方色」
李康逸(イ・ガンイル)
車一萬(チャ・イルマン)
車一萬・亜州美術館個展「上善は水の如し」
「モネに取って代れるか」車一萬・中国絵画市場への挑戦
朴芳永(パク・バンヨン)評論シンパラム
朴芳永PAK BANGYOUNG個展「毛劍」Web gallery14.12
金敬烈(キム・ギョンヨル)
李斗植(イー・ドゥシク)韓国美術協会葬
李淑子(イー・スッチャ)「麦畑と裸婦」
金寅化(キム・インファ)「山・蓮・ヌード」
張淳業(チャン・スンォプ)
●若手作家
田奉烈(チョン・ボンヨル)
●北朝鮮作家
鄭永万(チョン・ヨンマン)


画像だけでも覗いて見てください。

今後もまだまだ紹介して行きますのでご注目ください。

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