韓国現代アートの巨匠・徐世鈺ソセオク(1)「東洋思想による現代アート」

韓国現代アートの大御所的存在といえば、晩年にアメリカに渡った金煥基(キム・ファンギ1913~1974)、ビデオアートの白南準(ペク・ナムジュン1932~2006)をはじめ、ロンドンのテイトギャラリーで企画展示された韓国モノクロームアートの金昌烈(キム・チャンギョル1929~)・朴栖甫(パク・ソボ1931~)・河鍾賢(ハ・ジョンヒョン1935~)・李禹煥(イー・ウファン、1936~)等が上げられます。

李禹煥は日本で育った作家で、関根伸夫らの「もの派」での活動が有名ですが、上記韓国モノクロームアートの作家としても注目されました。

こうした韓国現代アート界において、韓紙に墨で描く伝統的な東洋画を土台として半抽象的な作品制作を続ける異色作家が、徐世鈺(ソ・セオク1929~)です。

ちなみに李禹煥はソウル大を中退する前に徐世鈺から学んでいます。

■徐世鈺(2007年9月撮影・自宅にて)
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今回は2007年にさる美術関係の冊子に掲載された徐世鈺のインタビュー記事を、2回に分けてお伝えします。

徐世鈺は日本語を理解しますが、インタビューには韓国語で応えて日本語に翻訳したものです。

掲載前の確認のために日本語に訳された自分の言葉を読んだ徐世鈺は、「美術雑誌や下手な評論よりもいい。これは記録に残すべき価値がある。」と自画自賛。

■掲載前の記事を熱心に読む徐世鈺
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聞き手および翻訳・文責は当時その冊子の編集長をしていた私RYOTAです。

では、禅問答のような徐世鈺ワールドをご覧ください。

●韓国美術が近代から現代へ移り変わる分岐点はいつごろでしょうか

美術の歴史を正確に分けることが出来ません。それは海の水を刀で切ることが出来ないのとおなじことです。例えば寒流と暖流も互いに混じりながら流れているでしょう。

韓国現代美術が西洋から影響を受けたことで「近代から現代」という言葉を使いますが、私は無理やりそういう区切りを付けようとする見方に反対です。

東洋には独自の美術の流れがありました。

その中で、今から100年以上前のものであったとしても、とても現代的な感覚と精神を持って描かれた絵があります。時代を超えて絶対的に新しいというものがあるのです。韓国や日本、中国でも同じです。

近代や現代という「時間」と東洋や西洋という「空間」を超越した、永遠に残るべき美があるのです。

時代が移り変わることで完全に新しい美があらわされるのではありません。それは表現する方法が少しずつ変わっているだけです。

昔だと言って無くなってしまったものではなく今だと言って確実なものでなく未来に来るだろうと言って全く違ったものが出て来るのではありません。

私が現在この現実に生きている姿は私の全てであり真実です。しかし私は過去と現在と未来の永遠的な美の流れの中に生きていこうとしているのです。


徐世鈺インタビュー(2)につづく
韓流ファインアート
「愛の舞踏」徐世鈺からの物語


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