追悼/韓国画家・無衣子-権玉淵

2011年12月16日、韓国芸術院会員で西洋画家の権玉淵が死去した。享年89歳。

私が日本で訃報を聞いたのは金正日死去の次の日の12月18日。日本から弔問に伺ったのは正月の2日だ。演劇家であり権玉淵と同じ芸術院会員でもある夫人から、芸術家権玉淵はこれからも催事を通して画壇に生き続けるだろうことを確認する。

韓流ファインアート(韓国の画家紹介)

    ■自宅階段の踊り場にかけられた権玉淵の写真
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韓国現代画壇に輝くモッチン(素敵な)巨星が一つ落ちたという実感だ。

権玉淵は現在の北朝鮮ハムギョン北道ハムンの両班の家系に生まれた。幼少の頃祖父から書の手ほどきを受け芸術の本質を肌で学ぶ。日帝時代に帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)に修学。帰国後、朝鮮動乱前の故郷から母親を連れて南に逃れるも半島の分断により北に姉を残して離散家族となる。結婚しパリに渡って作家活動を行い、韓国に戻ってからは専業作家として活動、50代半ばにして韓国芸術院会員となる。

一言で言えばロマンチストである。しかも悲しみを内に秘めたロマンチストだ。自らの人生に負った悲しみをグレーの色に変えて画面に塗りこめる、その色彩哲学は89年の生涯変わらなかった。

「多くの画家は歳をとれば明るい色を使いたがる。しかしそれは私にとっては嘘であり堕落に等しい」

権玉淵は原色を表に出せない。

赤・青・黄の三原色で全ての色が作れるが、これらを同等に混ぜると黒になる。そこに白を混ぜればグレーとなるが、権玉淵のグレーには様々な明るい色が内包されており、それらが全体が闇に覆われた色調の奥底から滲み出ている。秘められた希望の色だ。

歌を歌えば日本の古い歌が次から次へと出てくる。その歌声は全てにセンチメンタルな色付けがされ、まるで夢見るように歌い上げる。しかし虚飾などではない。私は何度この歌声に魅了されたかわからない。

人の死は、けっして魂が終わったわけではないのだから悲しむべきことではないと私は思っている。

でもあの歌声はもう聴けないのだろうか、そう思うと、やはりさびしい。
権玉淵「韓流アートの先駆け」
権玉淵「望郷の図」老人の涙

韓流ファインアート(韓国の画家紹介)

    ■権玉淵「少女」
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    ■権玉淵「無衣子」-自らの雅号を書にしたためた。
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この記事へのコメント

天使の羽根
2012年01月21日 16:11
悲しいです。
ただグレーという言葉で表現しきれない、人の心に住み続ける色というか、不思議なものを感じてきました。
残念です。

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