朝鮮民画(7)「花鳥図-宮廷画家も描いた上手編」

民画なる名称は、第一回で紹介しましたように日本人の柳宗悦(やなぎむねよし)が命名したものです。「朝鮮民画」は、いわゆる文人画などの「正統画」つまり鑑賞のために描かれた絵画に対して、「部屋の装飾」や「招福辟邪」といった主に実用的な目的のもとに描かれた絵のことをいいます。


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●朝鮮時代の人々の生活に根付いた民画

儒教の教えにより質素さを重んじた朝鮮時代は家の造りも質素でした。庶民においては平時の服装も白衣と決められていたほどです。しかし、その庶民も家の中では枕の刺繍や布団の模様や余り布で作るポジャギというパッチワークなどには原色を多用して目を楽しませていたようです。


質素な生活の中にも精神的な楽しさや豊かさを求めた朝鮮の人々は、眼に快楽をもたらす「民画」を喜んで飾ったのは自然なことでした。いや、儒教による束縛が厳しかったからこそ、反動的にそうした人間本性のよろこびを民画にも求めたとも言えます。


朝鮮民画は需要に応じて大量に生産されました。特に素人絵師によるものは安価だったことも手伝って庶民の生活にも幅広く浸透しました。朝鮮民画(8)「花鳥図ー下手編(わくわくするパボ民画)」


日本で民画に相当するものが大津絵です。柳宗悦が「民芸運動」の本山とするべく設立した日本民藝館に朝鮮民画とともに大津絵が多数コレクションされています。中国にも民画はあります。またフォークアートといった素朴な絵画は全世界にありますが、それらは専門教育を受けていない素人画家のものが大部分です。


朝鮮民画もまた無名の「放浪画家」や素人の絵師のものが数的には多いのですが、当時の画員と呼ばれた宮廷画家までもが銘を明らかにせずアルバイトで描いていたようで、宮廷での登用がならなかったいわゆる画員くずれも含めて、専門家による明らかに画格の高い作品も数多くありました。


「民画」あるいは「民芸」を規定するにあたって、柳宗悦は、作り手が素人かどうかではなく「無銘性」をあげています。「無銘」とは作家が作品にサインを施さないことです。


朝鮮民画は庶民にとどまらず「正統画」に親しんでいた王侯貴族に至るまで多くの人々に愛されましたが、その全体の数量の多さと題材の多様さ、そして専門の画家までが参加したことによる質の高さは、世界に類を見ないものと言えます。


●玄人画家と素人絵師

朝鮮民画の中でも圧倒的な量を占めるのが「花鳥図」です。前回は花鳥図のなかから「牡丹図」をピックアップしましたが、花鳥図全体の分類の仕方としては「花鳥図」「牡丹図」「草虫図」「蓮華図」「その他」に分けられます。


今回は「花鳥図」全体を画格の違いで分けてみました。プロの画家たる宮廷画家や専門教育をうけた者の手になるものと、素人絵師や画工によるものに分けて、前者を「上手」、後者を「下手」として、2回にわたって画像で紹介してみたいと思います。


ここでお断りしておきますが、民画に対して「上手」「下手」という言葉は一般的に使われません。これは今回画像で紹介するにあたって私が勝手に付けた名称です。


運筆法や常識にとらわれないという意味では「下手」の画家が描いた民画には不思議な魅力があります。一方「上手」の画家も作家名を明らかにしない無銘ゆえに大胆な色調で描いたりといった創作上の冒険がなされているように思います。


また今回紹介する作品は、私の手元にある「花鳥図」の画像の中から専門的な勉強をした玄人であると私が判断したものです。


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