葉山有樹展「陶磁物語り」祈りのかたち

仕事で地方都市を訪ねたとき、親しい友人にすすめられ、地元のデパートの催事場で開催されていた葉山有樹展「陶磁物語り」を見る機会を得た。

葉山有樹公式ホームページ⇒http://www.yukihayama.jp/index.html

■万花彩壺
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葉山有樹(陶芸家・著述家 1961年生まれ)。彼の陶芸作品を見るのは初めてのことだ。

ギャラリートークなどで直接話しを聞いたわけでないので、彼の工房のことや制作過程などの詳しいことはわからないが、まず、磁器に施された精緻で華麗な紋様に圧倒された。意匠と絵付けは葉山有樹本人の手になるものだろう。

凛然とした磁器の造形、そこに施された精緻な絵付け紋様、葉山有樹は陶磁器をはじめとした歴史的な遺物を自らの精神に取り込み、より洗練された形で現代に蘇らせた。

近くは中国の青華、遠くシルクロードを辿った中東、そしてエジプトに至るまで、東洋の先人たちの残したモノを確かな感覚で踏襲しながら、独自の芸術世界へと見事に昇華させている。

彼がつくる器はただ華やかなだけではない。数千年もの歴史に裏付けられた重厚さと深みを内に秘めている。そして過去から未来へとつながる遥かなる時が混然と渦巻いている。そうした芸術は1000年経っても色褪せない。


東洋の絵画や陶器やインテリアそして体の装飾などには「福を招来し、悪いものを除ける」という「招福辟邪」の意味を込めたものが多い。

例えば、招福=吉祥の事物としての草花や鳥など、辟邪はかつて古墳の壁画に描かれた「玄武、青龍、朱雀、白虎」の「四神」に代表される。
朝鮮民画(4)「虎図」
東洋陶磁美術館「蓮HASU展」―蓮があらわすもの
キトラ古墳「四神図」古代絵師の力量

作り手はそれを使い飾る者のために幸せを願い祈りを込めた。いや、創作そのものが無心な祈りであった。

葉山有樹がつくる磁器の意匠は多様なパターンを見せている。そのどれもが一つの祈りのかたちであると言ってよい。幾度もの手の作業を積み重ね、最後の火を入れてようやく生まれ出た作品は、清らかな芳香を虚空に漂わせながら見る者を惹きつけてやまない。

人間の魂の輝きが「慈愛の心とひたむきな生きざま」によって決定づけられるのと同じく、作品の魅力もまた、「作家の崇高な動機と技術の修練」に支えられている。

葉山有樹の技術は超一流と言ってよいだろう。

そして、創作の動機の根底には、人間に対する深い愛情があるのだと思う。きっと。

だから、彼の磁器はまるで人肌のようにあたたかい。


■金彩緑鳳凰唐草文扁壺
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■粟に鶉画銅鑼鉢
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■森羅万象図壺
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※画像は葉山有樹展「陶磁物語り」カタログから。画像の色彩は実際よりも少し薄めに出ています。

井戸茶碗「戦国武将が憧れたうつわ」根津美術館
プーアル茶のおいしい淹れ方と紫砂壺



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